ゆったり団地ライフを楽しもう
高度成長期の真っ盛り。日本のあちらこちらの都市で大きな団地が出現しました。老朽化が進み空きが目立ったり、住まい手も高齢の方が大部分。若い世代へのバトンタッチを進める取り組みが進められています。その一つが、「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」です。訪ねてみた高島平団地は、その大きさに圧倒されたのですが、その大きさ故に、団地内に商店街あり、スーパーマーケットあり、医院も保育園もあって、実に便利。更に、もっと驚いたのは、昔に建てられた団地は、棟と棟の間やアプローチがゆったりとしていて、緑が豊富なこと。イマドキのシステマティックなマンションライフとは違った、賑やかでゆとりのある、懐かしい生活ができそうです。
古くて可愛いアイテムを生かして
団地の建物内は、やはり昭和47年に竣工した古さは否めません。この「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」は、その懐かしいような古い感覚を残しつつ、現代的な機能性やデザイン性をミックスさせて、団地の新たな魅力を引き出しました。二つのモデルルームから、プロジェクトの特徴となるインテリアをご紹介しましょう。昭和47年に建てられた高島平団地内のお部屋がこんなに素敵にイメージチェンジ。こじゃれたインテリアショップみたいな白いインテリアに(画像:無印良品の家)
壁や天井は白く塗装。床には、麻素材の縁無畳と収穫後の麦わらを再利用した麦わらパネルを使って、ナチュラルですっきりとしたイメージに整えました。しかし、このリノベーションでは、すべて壊して新しくするのではなく、昭和レトロなアイテムを適宜残して新しい空間に溶け込ませています。
ガイドがいいなぁと思ったのが、こちらの引き戸です。今でこそ、ドアの高さは2m以上が主流ですが、昔の建物では1.8mが基本。右の引き戸の高さも以前のままの高さで残しています。
太めのプロポーションとガラスの質感が懐かしさを残しつつ、白く塗装されているのでイマドキのインテリアにも合わせやすくなっています。
それから、団地の外回りのパーツも古めかしくて素敵なんですよ。共通廊下側の面格子は、室内のガラス越しにみると、60年代風の幾何学模様。昭和レトロなイメージを演出しています。
部屋の間取りにもよるのですが、このリノベーションでは以前の柱や鴨居などはできるだけそのまま残すようにしているそう。年月を経て飴色になった木の色が、味わいのあるインテリアの味付けになっています。木の質感を感じるナラやウォールナット材使ったブラウン系の家具などをチョイスして、60年代風のインテリアにするのもいいですね。
次ページでは、真似をしてみたいリノベーションの工夫をご紹介ししょう。
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