天空の城の絶景に見とれる……
竹田城跡の構造は天守台が中央にあり、そのまわりを南北に南二の丸、南千畳、花屋敷、二の丸、三の丸、北千畳と呼ばれる空間が段をなして配置されています。その大きさは南北400m、東西100mにも達していて、これだけの規模の城跡がほぼ築城当時の姿で残されている山城は国内では大変珍しく、貴重な遺構です。
城内の石垣は、"野面(のづら)積み"と呼ばれ、織田信長が安土城築城の際に使ったとされる近江・穴太(あのう)衆の石積みによるもの。色々な形の石が組み合わさり、しっかりとした石垣を造り上げています。
天守閣も御殿もない城跡ですが、この石垣とまわりの風景との調和が竹田城跡ならではの良さですね。
また南千畳から天守台を望むと、山城らしい雰囲気をさらに味わえます。通常は大手門入口から北千畳に登って、天守台経由で南千畳へ歩いて、石段を下りて登山道に戻るという一方通行での見学となります。
ここ最近の人気の高まりで、多くの観光客が安心して見学できるようにルートの整備をしたり、多くの人が足を踏み入れたことで崩落しかけている箇所を立入禁止にして補修工事を行っていることがあります。そのため、訪れるタイミングによっては見学できる範囲が狭まることがあります。朝来市役所のWebサイトで最新の状況を確認してから出かけると良いでしょう。
雲に浮かんだ竹田城跡を見るには?
ガイドが竹田城跡を訪れたのは4月末の日中でしたので、雲海には残念ながら出会えなかったのですが、秋から冬の早朝に発生することが多い雲海に包まれると、竹田城跡ではまさに雲の上にいる天空の城を体感できるとのことです。誰しもが見てみたい絶景である「雲に浮かんだ竹田城跡」。この風景を見るポイントとしては、竹田城跡そのものを訪れるよりも、竹田城跡を遠くに眺められる立雲峡や藤和峠から望むのが良いでしょう。
ただし雲海の発生は、自然の営みによるもの。秋から冬が比較的発生しやすいとはいえ、訪れた時に確実に発生するとは限りません。朝来市役所のWebサイトに雲海が発生しやすい条件が説明されていますので、訪れる前に参考にされると良いですね。
天空の城、日本のマチュピチュとも称される竹田城跡をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
アクセスには少し手間がかかったり、しっかり足下を固めて行く必要があるなどの制約がありますが、素晴らしい風景に感動できるのは間違いありませんので、ぜひゆっくりと時間をとって出かけてみて下さい。
竹田城跡へのアプローチ
地図:Yahoo! 地図情報アクセス:
<鉄道>
・山陽新幹線 姫路駅から、JR播但線 寺前行きに乗車し、寺前で和田山行きに乗り換え、竹田駅下車。
また全但バスが、特急「はまかぜ」の臨時停車にあわせて、竹田駅から山城の郷を経由して竹田城跡の中腹駐車場を結ぶ「天空バス」を運行しました。
2014年以降の運行については未発表のため、朝来市役所やJR西日本、全但バスのWebサイトで最新情報を確認して下さい。
<高速バス>
・品川バスターミナルから舞鶴方面に向かう高速バス(京都交通バス、京急バスの共同運行)が、福知山駅まで運行。
バス下車後、和田山駅までJR山陰線の列車に乗車し、JR播但線に乗り換えて竹田駅下車。
<車>
・中国自動車道 吉川ジャンクションから舞鶴若狭道で春日ジャンクションへ向かい、北近畿豊岡道に入ります。
和田山ジャンクションから国道312号線に入った後、加都交差点を左折し、竹田城址への案内に従います。
【関連サイト】
- 竹田城跡(朝来市役所)
- 竹田城跡の雲海の発生しやすい条件など(朝来市役所)
- 竹田城跡の撮影スポット(朝来市役所)
- JR西日本
- 全但バス
◇「関西の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで関西地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。