要介護認定を受けて、実際にケアマネジャーや介護保険サービスを選ぼうと思った際に困るのが「親が住んでいる地域にどんなケアマネジャーがいるのか?」「どんなサービスを提供する事業所があるのか?」「どんな事業所を選んだら良いのか?」といったことです。
ケアマネジャーを選んだ後、事業所選びはケアマネジャー主導で進むことが多いのですが、やはり介護家族側としてもある程度の情報は知っておきたいもの。そんなときに便利なのが、今回ご紹介する「介護サービス情報公表システム」です。
介護サービス情報公表システムとは?
介護サービス情報公表システムは、全国の介護保険サービスを提供する事業所の情報を検索することができるWebサイトです。以前は「WAM NET(ワムネット)」でも同様のサービスを提供していたのですが、2012年9月に廃止。介護サービス情報公表システムに一本化されました。
介護保険サービスを提供する事業所は、原則としてこのサイトで情報を公開することが義務づけられています。このサイトに情報が掲載されていない事業所としては、次のようなものが挙げられます。
- 1年間の介護報酬受領額(利用者負担含)が100万円以下の事業所
- 指定を受けてから1年未満の事業所
- 介護予防支援事業所(地域包括支援センター)、みなし指定事業所(居宅療養管理指導や訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションを提供する保険医療機関&保険薬局)など
介護サービス情報公表システムの使い方
介護サービス情報公表システムは、都道府県単位で情報を検索することになります。
シニア層の方にも使いやすいよう、画面の指示に従っていくだけで必要な情報が得られるように工夫されています。ここでは、実際に検索する流れに沿って、各画面のポイントを紹介していきましょう。
1.介護サービス情報公表システムの全国版トップで、検索を行うと都道府県を選択。今回は「東京都」を選んでみます。
2.「地図から探す」「サービスから探す」「その他の探し方」のいずれかを選択。今回は「地図から探す」を選んでみます。
3.各都道府県を大まかな地域で分割した地図が表示されるので、地域を一つだけ選択。今回は「23区西部」を選んでみます。
4.各地域を市区町村で分割した地図が表示されるので、市区町村を選択。複数の市区町村をまとめて選ぶことが可能です。今回は「世田谷区」を選んで、サービス選択画面に進みます。
5サービス選択画面で検索したいサービス名を選び「検索する」をクリック。複数のサービスをまとめて選ぶことが可能です。今回は「居宅介護支援」を選んでみます。
6.事業所の所在地がわかる地図と、条件に当てはまる事業所のリストが表示されます。「事業所情報」欄の「詳細」をクリックすると、事業所の詳しい情報を閲覧できます。
事業所の詳細情報は、事業所選びの重要な資料
各事業所の詳細情報は、非常に詳しく掲載されています。「所在地・連絡先」「地図」「提供サービス」などはもちろん、同じ都道府県内の他の事業所と比較した際に「利用者の権利擁護」「サービスの質の確保への取組」「相談・苦情等への対応」などがどの程度の水準にあるのかを比較できるレーダーチャートまで見ることが可能です。
検索を行う際、事業所のリストが表示されているページで複数の事業所を選び、それぞれの違いを比較することも可能です。
ケアマネジャーの多くは訪問介護やデイサービスなど、なんらかの介護事業所に所属していることが大半です。介護サービス情報公表システムを使って、メインで利用したいと思う事業所を選んだうえで、そこの事業所にケアマネジャーが所属している、即ち「居宅介護支援」を行っているかどうかを確認。ケアマネジャーが所属しているようなら、そのケアマネジャーに連絡を取ってケアプランの作成を依頼すれば、サービスの利用までがスムーズに進むようになります。