歯・口の病気/審美歯科

複数の歯をまとめて治療する際の施術ポイント

歯並びの調整や、ホワイトニングによる色の調整、歯の形を治療する場合など、複数の歯をまとめてキレイに整えたいと希望される方が増えています。複数本に渡って審美歯科治療を受ける際の施術ポイントや、クリニック選びのコツなどをご紹介します。

石井 府中

執筆者:石井 府中

歯科医 / 審美歯科ガイド

「見える前歯を、まとめて白く整えたい」「複数本の歯の治療を、なるべく短期で美しく行いたい」

そんなご希望をお持ちの方で、審美歯科にご相談に来院される方が増えています。審美歯科では様々な治療を行っておりますが、その中で複数の本数にわたって治療を行う場合の施術ポイントや、クリニック選びのコツなどをご紹介します。

複数本の歯の同時治療する場合の施術ポイント

お顔のラインと歯並びの黄金ライン

お顔のラインと歯並びの黄金ライン

複数の本数にわたって治療をご希望される箇所で多いのは、特に上の前歯です。笑った時に見える前歯を全部、6~8本程度にわたって治療をご希望される方が多くいらっしゃいます。

複数本に治療を行う場合、前歯2本を挟んで、左右対称の偶数本で治療を行うことをお勧めしています。左右対称に施術することで、よりバランスの取れた、お顔全体に合わせた仕上がりにすることが出来ます。治療のポイントをいくつかチェックしていきましょう。

■歯軸をそろえる
歯の縦の中心線を歯軸(しじく)と呼びます。このラインが、お顔の中心線と平行になるようにセットしていきます。また上の前歯をすべて治療する場合、歯軸をやや内側に傾け、歯軸の延長線がある1点で集約される位置にセットします。歯本来と同じ角度に仕上げることで、お顔全体とバランスのとれた、自然なお口元に仕上がります。

■歯冠長をそろえる
歯冠長(しかんちょう)とは歯の長さのことです。歯の長さは画一ではなく、左右対称にそれぞれの本来の長さにそろえます。前歯3本を例にとる場合、一番長い歯は前から3番目の犬歯(けんし)と呼ばれるものです。一番短い歯は前から2番目の歯で、それらの中間が一番前の歯2本です。これら3本(左右対称で6本)の歯冠長を0.5mmずつ差をつけてセットすると見た目も美しく、かみ合わせなどの機能面も考慮した仕上がりになります。

■お顔のラインとそろえて仕上げる
複数本の歯を整える場合、お口元だけをキレイに整えるのではなく、お顔全体とのバランスをとるととてもキレイに仕上がります。具体的には歯軸と正中線(お顔中心の縦の線)を平行にそろえ、切端(せったん:歯の先端部分)のラインと目や唇のラインを平行にそえろえます。治療を始める前に歯型だけではなく、お顔全体のお写真も撮影し施術をすすめていくことで、お顔に合わせた美しいお口元に仕上げることが出来ます。

次のページでは、色のバランスなど、残りのポイントをご紹介します。

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