SNSと連動し、ドライバーをプッシュ!
「フォーミュラE」のマシン、SRT_01Eには「プッシュ・トゥ・パス」というインディカーで用いられている演出が取り入れられる。これはドライバーがコクピットでボタンを押す事で一時的にマシンの出力がパワーアップし、前のマシンを抜きやすくするもの。スーパーフォーミュラ(旧フォーミュラニッポン)のオーバーテイクシステム、F1のKERS(カーズ)に似たシステムだ。
フォーミュラEのコクピット
【写真提供:Formula E Holdings】
インディカーでは1人のドライバーがレース中に使用できる「プッシュ・トゥ・パス」の回数が決められているが、「フォーミュラE」はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)と連動した、ちょっと変わったルールを採用するとのこと。ファンがレース展開を見ながらドライバーに応援を送ると、その応援を多く獲得したドライバーが「プッシュ・トゥ・パス」を使い、前のドライバーを抜くチャンスを増やせると言うもの。ファンとの連動型エンターテイメントが取り入れられるそうだ。これまた既存のモータースポーツファンにはなかなか受け入れがたいルールだが、こういったレースに新しい魅力を加える試みは次世代レース「フォーミュラE」ならではと言える。
話題のチーム続々!ディカプリオのチームも
SNSを使って、どのドライバーが、どのチームが、ファンの応援を獲得することになるのだろうか?初年度の「フォーミュラE」には話題性の大きいチームが続々と参戦を表明。初年度は10チーム20名のドライバーでレースを戦う事になる。
スーパーアグリ フォーミュラE
【写真提供:Formula E Holdings】
その中で、日本のファンに楽しみなのは、かつてF1に参戦した「スーパーアグリ」の参戦だ。元F1ドライバーの鈴木亜久里が率いた日本国籍のF1チームの復活である。とはいえ、この「スーパーアグリ」は鈴木氏が率先して行うプロジェクトというよりは、かつて「スーパーアグリ」のF1チームのメンバーであったマーク・プレストンらが中心に動いている実質的には英国が拠点のチームとなる。しかしながら、鈴木氏がチーム最高責任者を務め、東京に本部を構える以上は、日本のチームとしての活躍、話題提供も楽しみなところ。日本人ドライバーの参戦も期待したいところだ。
インドの自動車メーカー、マヒンドラも参戦
【写真提供:Formula E Holdings】
「スーパーアグリ」の他には、こちらもかつてF1チームとして参戦していた「ヴァージン」(リチャード・ブランソン率いる英国ヴァージングループのチーム)、アメリカを代表するレース一家の出身で現在もインディカーでトップチームを率いるマイケル・アンドレッティの「アンドレッティ・オートスポーツ」、さらにはドイツの自動車メーカーであるアウディのプロジェクト「アウディ・チーム・アプト」やインドの自動車メーカー「マヒンドラ」など自動車メーカー系のチームが参戦している事も見逃せない。
VENTURIに参加するレオナルド・ディカプリオ(左から2番目)
【写真提供:Formula E Holdings】
そして、10番目のチームとして衝撃的な参戦を表明したのが、俳優レオナルド・ディカプリオ率いる「ヴェンチュリ」。ディカプリオと言えば、ハイブリッドカーのプリウスや電気自動車のテスラを愛車にするなど、環境に優しいクルマに乗るスマートなライフスタイルをいち早く世界に提案したハリウッドスター。ディカプリオはチームの共同オーナーとして名を連ね、「フォーミュラE」や電気自動車の普及に貢献してくれそうだ。
「フォーミュラE」の開幕は2014年9月。まだ少し先のことであるが、All About「モータースポーツ」ではこの次世代レースに熱い視線を注ぎながら、情報を発信していきたい。
【公式サイト】
Formula E (英語)
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