F1/F1(フォーミュラ1)について

2014年開始!電気自動車レース「フォーミュラE」(3ページ目)

電気自動車のF1と形容される「フォーミュラE」がいよいよ2014年から始まる。市街地でのレース開催、レオナルド・ディカプリオも参戦。日本ではスーパーアグリの参戦、テレビ朝日で生中継が決定など話題豊富な新シリーズに迫ります。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

なんと、途中でマシンを乗り換える!!

「フォーミュラE」のマシン、SRT_01Eはバッテリー容量の問題から、およそ25分しか走行できないとされている。これは使用するリチウムイオン電池の性能やマシンのスペック上、仕方がない。20分程度のレースではインパクトが薄い。そこで「フォーミュラE」は決勝レース中に1人のドライバーが2回ピットストップを行うのだが、なんとバッテリー交換ではなく、ドライバーがマシンの乗り換えを行うのだ。

給油や素早いタイヤ交換というイリュージョンのようなピットストップの魅力になれた既存のモータースポーツファンには、何とも興ざめなこの演出。しかし、これが現時点での電気自動車レースの現実といえる。ただ、ここを無視して、未来は生まれない。技術的に今はここにあるという現実を見せておくことも、今後の技術発展の価値を示す上で大きなことだとガイドは感じている。
フォーミュラE

フォーミュラEのマシン 
【写真提供:Formula E Holdings】

かつてF1でも、マシントラブルを抱えたドライバーが別のドライバーのマシンを譲ってもらって、レースを続行できた時代があった。今では考えられないシーンだが、それが当時は当たり前の概念だった。内燃機関の自動車レースにかつてこういう歴史があったように、電気自動車の「これから」を考えれば、こういう演出もアリ!という大らかな気持ちで「フォーミュラE」のレースを楽しみたいものだ。

技術パートナーが作る未来のレース

もちろん、「フォーミュラE」はいつまでもドライバーのマシン乗り換えを続けるつもりはない。「フォーミュラE」は2013年にアメリカに本社を置く「クアルコム」と技術パートナーシップを結んでいる。クアルコムは携帯電話の通信技術を発展させてきた企業で、電気自動車のワイヤレス充電技術を近い将来、「フォーミュラE」に導入したい意向を示している。
クアルコム

フォーミュラEには今後、クアルコム社が積極的に関わって行く
【写真提供:Formula E Holdings】

これは同社が持つワイヤレス充電システム「Halo」の技術を活かし、「フォーミュラE」マシンに対してダイナミック・チャージングと呼ばれる充電を行うというものだ。ピットレーンにこのダイナミック・チャージングを行うラインが設けられ、そこをマシンが走行する事でマシンは給電を受けるという、まるで昔あったゲームのような演出が可能になるかもしれないのだ。ピットレーンに設けられるのか、それともコース上にいくつか充電ラインが設けられるのか、今後の技術発展によっては、今まで誰も見た事が無いモータースポーツを楽しむ時代が到来しそうな予感だ。

他にも「フォーミュラE」は次世代レースらしい演出を用意しているという。次のページでは話題の参加チームを含め、新しい演出についても紹介しよう。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます