トルコの一大プロジェクト、「マルマライプロジェクト」
ボスポラス海峡の海底を走るマルマライ
安部首相も参加して大々的に行われた開通式典(©Hurriyet)
2013年10月29日、トルコ共和国建国90周年記念のこの日、イスタンブールの人たちにとっては積年の夢だったイスタンブール・マルマライプロジェクトの開通式典が行われました。
日本からは安部首相も式典に参加し、各日本メディアも相次いで報道したほど注目度の高かったこのマルマライプロジェクト。一体どんなプロジェクトで、イスタンブールを観光するにあたりどんなメリットがあるのでしょうか?
マルマライ建設の背景
フェリーやバス、タクシーぐらいしか、対岸に渡る方法はなかった
イスタンブールの交通渋滞は年々ひどさを増すばかり
イスタンブールを旅行する際、移動は最大のテーマ。というのも海に囲まれたイスタンブールは、まずはボスポラス海峡を挟んでヨーロッパ側とアジア側に、さらにヨーロッパ側は金角湾を挟んで旧市街と新市街にわかれているのです。日本と違って公共交通機関がまだまだ発展途上なだけに、これらの地域間を外国人観光客が自由に行き来するのはかなり難易度が高い問題。特に交通渋滞の関係もあり、アジア側は観光客にとってかなり行きにくいエリアでした。
電車に乗って、たった4分で対岸に渡れるなんて夢のよう!
そんな中、日本政府の円借款などにより大成建設が現地2社と共にボスポラス海峡横断鉄道建設工事、マルマライプロジェクトを施工しました。ちなみに、「マルマライ」というのは「マルマラ海」と「ライ(ray)=鉄道」の合成語で、将来的にはアジア側の端の町(ゲブゼ)とヨーロッパ側の端の町(ハルカル)をつなぐ76キロに及ぶ鉄道のこと。そして大成建設が請け負った「マルマライプロジェクト」は、このうちボスポラス海峡を渡る海底トンネル及びカズルチェシュメ~ウスキュダル駅舎の施工です。このトンネルのおかげで、これまで渋滞時には1時間以上見込まなければならなかったヨーロッパ-アジア間の移動が、たったの4分で実現することになったのです!