旭区の中心地、鶴ヶ峰には
森、緑道、湧水と自然もいっぱい
横浜駅から横浜港に注ぐ帷子川、そして国道16号(八王子街道)に平行して走る相模鉄道本線で西へ、丘陵に向かうこと約20分。鶴ヶ峰駅(横浜市旭区)は区役所、消防署、横浜市立旭図書館、旭区市民活動支援センターなどが並ぶ、行政の中心です。
駅周辺は帷子川沿いの谷になっており、南北に向かうといずれも多摩丘陵の高台へ向かう坂を登ることになり、どちらに向かってもかなりの急坂。高低差のある土地なのです。このエリアは1950年代以降、横浜市中心部や京浜工業地帯への通勤者のために宅地化が進んだ場所で、丘陵地にはバス便を利用し、いくつもの大規模団地が建設されています。
一方、自然が多く残る場所でもあり、駅近くにはかつての流路の跡を利用した帷子川親水緑道などの遊歩道、さらに丘陵地の森を楽しむ白根ふれあいの樹林、鶴ヶ峰ふれあいの樹林なども。1999年に日本最大級の動物園として誕生した、よこはま動物園ズーラシアへ続くふるさと尾根道緑道は桜の名所でもあり、平成12年度には国の「都市景観大賞」を受賞してもいます。
また、横浜市内としては珍しく、滝もあります。帷子川に注ぐ中堀川沿いにある大滝、丘陵地から流れる小滝がそれで、いずれも白根神社境内。大滝は昭和62年に修復され、あまり自然な趣は残っていませんが、それでも水量は豊か。流量は少ないものの、小滝は崖の下、鬱蒼とした木々の中にあり、近くには崖を穿って龍神を祀った祠などもあって、かつて滝行が行われた場所らしい雰囲気があります。
駅南口には再開発で誕生したタワー、
北口には商店街にバスターミナル
続いて、駅周辺を見ていきましょう。まず、駅の南口側には平成19年に再開発で誕生した29階建てのタワー、ココロットつるがみねがあり、低層部にはスーパーや飲食店その他の商業施設に保育園、市民活動支援センターなどが入り、中層部以上はマンション。駅とも直結しており、買い物その他に便利です。
北口側は駅周辺から横浜厚木道路まで商店街が伸びており、スーパーや生鮮食料品点、飲食店など様々な業種が並んでいます。また駅からは少し離れたところに広いバスロータリーがあり、丘陵上の住宅地への悪しとなっています。また、商店街と帷子川の間にはかつての流路を生かした公園があり、のんびりした憩いの場となっています。
商店街を抜けた、帷子川沿いには鎌倉時代の武将、畠山重忠が討ち死にした古戦場跡の牌があります。畠山重忠は鎌倉幕府の誕生、平家との戦に大きく貢献した人で、幕府の権力争いに巻き込まれ、この地で命を落とすことになったのだとか。武勇の誉れ高く、清廉潔白な人柄で「坂東武士の鑑」と称されたとも言われ、旭区内にはこの人にまつわる史跡が多く残されています。
次のページでは相鉄線鶴ヶ峰の住宅事情を見ていきましょう。