中手骨骨折の一つ・ベネット骨折とは

母指にはIP関節、MP関節、CM関節の3つの関節があります。この内CM関節の脱臼骨折のことをベネット骨折と呼びます。母指に一番多い骨折です。母指を開いた状態で長軸方向に力が加わると発生します。具体的にはバイクや自転車のハンドルを握ったまま転倒した際に発生したり、スキーでストックを握った状態で手をついた時に発生します。

CM関節

母指の手根骨と中手骨で作られる関節がCM関節です。


ベネット骨折が多い年齢・性差

運動、事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。一般の人にも発生しますし、スポーツ選手などでもみられます。男性に多い骨折ですが、女性にも発生します。

ベネット骨折の症状

骨折部位の腫脹、疼痛、隣接する関節の可動域の低下などがみられます。指の形が変形することもあります。

ベネット骨折の診断

■単純X線
単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、整形外科では必ず施行します。

X線

単純X線像。CM関節に骨折がみられます。


■CT
単純X線で診断がつかない場合でもCTであれば診断可能です。

ベネット骨折の治療法

ベネット骨折の治療ですが保存療法では骨片が安定しないため手術療法を選択することが多いです。

■手術治療
鋼線

鋼線とよばれる金属で骨折を固定しました。


手術で鋼線と呼ばれる金属で骨片の固定を行いました。

金属のネジで骨を固定する手術もあります。

ネジ

               ネジで骨を固定しました。


■鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAIDと省略されます)を用います。

・ボルタレン……1錠15.3円で1日3回食後に服用。副作用は胃部不快感、浮腫、発疹、ショック、消化管潰瘍、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、ネフローゼ、重症喘息発作(アスピリン喘息)、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、無菌性髄膜炎、肝障害、ライ症候群など重症な脳障害、横紋筋融解症、脳血管障害胃炎。

・ロキソニン……1錠22.3円で1日3回食後に服用。副作用はボルタレンと同様です。

どちらの薬でも胃潰瘍を合併することがありますので、胃薬、抗潰瘍薬などと一緒に処方されます。

■抜釘術
術後に骨折が治癒した後に固定具を除去します。抜釘術(ばっていじゅつ)と呼ばれます。

ベネット骨折の予後

ベネット骨折は頻度の高い骨折で、早期の診断治療が大切な骨折です。骨折の部位程度などにより治療後の予後は変わってきます。早期に手の外科専門医を受診することをお勧めします。
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