フローレフとは
ルフェーブル醸造所はベルギー中部のワロンブラバンド州クナストにある、1876年創業の歴史ある醸造所です。クナストにはベルギーでも有数の石切り場があり、古くは多くの労働者が働いていました。セゾンデュポン章でも書きましたが、現在のような高アルコールビールが造れるようになる以前は、ボトリングされる前の低アルコールのビールをキャフェ(醸造所併設の場合も)で提供することが多く、大量のビールが消費されていました。ルフェーブル醸造所も例外ではなく、1876年に醸造所に併設したカフェをオープンさせて大きな成功を収めました。1921年には市街地から、丘陵地帯の上に醸造所を移転しています。ナミュールに現存するフローレフ修道院(1121年~)のライセンスを1983年にルフェーブル醸造所が受託し、現在も醸造所しています。サンフーヤンの記事でも書きましたが、フローレフの場合は現存する修道院の名前を使って民間の醸造所が醸造、販売するライセンス生産のアビィ(アベイ)ビールになります。生産量に応じて、醸造所が修道院にロイヤリティを支払っています。
日本に紹介されたのは約20年程前になります。当時の日本市場でスパイスの効いたアビィ(アベイ)の登場は衝撃的でした。現在ではシリーズにブロンドが追加されブロンド、ダブル、トリプル、プリマメリオールの4種類になっています。
土産物屋の人気者
ベルギーの主要な都市には世界中から観光客が来るので、街中にお土産物屋さんが並んでいる光景をよく見ます。チョコレートが有名ですが、ビールもなかなか人気のお土産。醸造量の少ないビールや、ベルギーでしか買えないビールはマニアに人気ですが、多くの人はフルーツビールやトラピスト、アベィ(アベイ)等のベルギーオリジナルの醸造方法のビールを買っていくようです。フローレフ シリーズは多くの土産物屋でディスプレイされています。ベルギーをイメージしやすいということでしょうね。絶妙のバランス
フローレフ プリマメリオールは高アルコールで、甘さも強く、スパイシーなビールです。一部の個性が際立った美味しさではなく、キャラクターのヴォリュームが絶妙なアベイ(アビィ)ビールです。合わせる料理はフローレフを飲みやするものではなく、アルコール感、甘さ、香りといったビール自体の魅力に、時間をかけて満喫するといったアプローチをプラスする、時間も一緒に合わせて食べる感じ。熱くも、冷たくもない料理ならゆっくり楽しめます。次頁ではフローレフ プリマメリオールにぴったりの料理をご紹介します。