開けてビックリ!が生むリフォームのトラブル
新築は途中経過がわかるので不具合の原因もわかりやすいが、リフォームは建てた時の様子が全くわからないケースも多い。
新築はゼロから建てるので、途中の経緯がわかっています。例え不具合が起きても、原因がわかりやすい状況にあります。
しかしリフォームは、今から何年、何十年も前に建てた家に手を入れて工事をするもの。建てた時の様子や、お手入れの経緯が全くわからないこともあります。壁を壊したら想定外に内部が腐っていた!というようなことが起きる可能性があるのが、リフォームならではのリスクです。
単純な壁紙張替えリフォームで起きた予想外の事件
リフォームでは事前に綿密な現場調査を行い、あらゆるケースを想定して計画を立てる。
それでも全てのケースを把握することはなかなか難しく、驚くような事件に出会うことがあります。
以前、ガイドYuuが出会ったケースは、壁紙の張替えという、どちらかといえば単純で、想定外のことが起き難い工事であったのにもかかわらず、工期は大幅に延長、追加費用も発生してしまったというものでした。
何をやってもどうしても壁紙が剥がれない!
たいていのものは剥がせるスクレーパーも歯が立たず。
壁紙の張替えにおけるリスクは、古い壁紙は剥がれにくいことが多いこと、下地が凸凹になりやすく、下地処理をしても薄い壁紙を使うと仕上がりが汚くなること、また下地処理のパテの粉は片栗粉のように細かいので精密機械の中に入り込んで故障の原因となりやすいことなどがあります。
それらのことを確認し、いつも通りにリフォーム工事を開始したのですが、着工してすぐ現場からあわてた声で連絡が入りました。いわく「壁紙が全く剥がれない!」
驚いて現場に行くと、スクレーパーと呼ばれる金属製のヘラを使っても、水や薬剤を掛けてもびくともしません。今まではどんなに剥がれにくい壁紙でも、これで丁寧に頑張れば何とかなったのですが、全く歯がたたず、無理にはがそうとすると下地ごとバリバリと剥がれてくる状態でした。
工期は延長、リフォーム費用も大きく追加に
工事が追加になり工期が延長すれば、当然リフォーム費用も大きく追加に。
たぶん特殊な糊を使ったせいだろうとのことでしたが、これでは張替えはできません。
解決策としては、上からペンキを塗るもしくは塗り壁にする、下地板を張り替えるか重ね張りにして壁紙を張るなどがありましたが、結局、お客様より下地から全て張り直して欲しいとの要望があり、工期は延長、リフォーム費用も大きく追加となりました。
リフォームでは想定外の出来事が起きることも
リフォームの追加工事は、ある程度は予測可能。加えて想定外に対処できるよう工期と予算に余裕を。
経験豊かな担当者なら、多くの可能性を挙げてくれます。それらを事前に聞いておけば、その場になって慌てることなく、トラブルも防いでいくことができます。
加えて、リフォームではこのような想定外の出来事が起きることもありますので、工期と予算には余裕を持ってのぞむことが肝心です。
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