彼氏の女友達への嫉妬、その心理は「男女の友情」への価値観にあり
男女の友情は「アリ」だと思う同士でなければ成立しないのも事実。友情の形をした疑似恋愛も、ないとはいえません。
恋が芽生える段階は、大きく分けると「出会ってから(相手を知るうちに)だんだん好きになる」ケースと「出会った瞬間から恋愛対象とそうじゃない人に分別する」ケースに二分されます。そしてほとんどの人はどちらか一方の傾向に片寄ります。
前者のタイプには「一目惚れ」という概念がありません。初対面など相手をよく知らないうちから恋心を抱くほど情熱的ではない、あるいは好意を抱いても冷静に観察するだけの時間を必要とするのが特徴です。そして後者は典型的な一目惚れ志向。初対面でボルテージが上昇しなければ、その後恋愛に発展するほど情熱が芽生えないのが特徴です。
友情から愛情へと気持ちが変化するのは、前者のタイプならではの傾向です。だからといってお付き合いしている恋人がいるときまで他に心移りするとは限りません。逆に「友情は成立する」という人は典型的な後者のタイプ。つまり、男女の友情が「成立する/しない」という主張は、自身の恋愛傾向(体験)に基づいているのです。
「彼氏が女友達と仲がいいのがイヤ」という女性はおそらく、自分も友情から愛情へと気持ちが変化する「だんだん好きになる」タイプなのでしょう。だからこそ、同じように彼氏も女友達に対して恋愛感情が芽生えてしまうことを恐れてしまうのです。
しかし実際にそのような悩みを持つ女性たちの意見を聞くと、もっと複雑な心境が入り組んでいることがうかがえます。
恋愛傾向だけにとどまらない「女友達に嫉妬してしまう」原因には、どんなものがあるのでしょうか。
■対象は女友達に限らない「嫉妬深さ」
もっとも多いのは、女友達に限らず彼氏の周囲にいる女性全員と敵対してしまうケース。その感情を彼氏に伝えるかはともかく、彼氏の口から他の女性の話題が出るだけでモヤモヤしたり、デート中に他の女性をチラ見しただけでムッとしてしまったりします。
■リアルに浮気の疑いがある
女友達全員の存在が許せないのではなく、特定の女性だけに嫉妬するのはこのケース。
たとえば彼氏に内緒でケータイを盗み見て、ふたりのメールやLINEのやりとりから怪しいと思うなど、ハッキリとした証拠まではいかなくても「女の勘」から今後の展開を恐れてしまいます。
■自分も同じ展開で恋人になった
もともと友人だった関係から恋人へと進展した場合、体験に裏付けされているだけに、他の女友達に対しても「もしかして……」という疑念を抱きかねません。
特に自分が出会った頃と似たケースのポジションにいる女友達に対しては、無用に警戒してしまうことも。
いずれも、嫉妬してしまう原因としては「なるほど」とうなずける内容です。だけどそれらの嫉妬心を抱えたまま彼氏とお付き合いしていたら、楽しさも幸せも半減してしまうのではないでしょうか。
彼氏の女友達への嫉妬に苦しまなくなるための対処法
物わかりのいいフリをするのは自分が苦しいだけ。不快さを伝えられないのであれば、自分の中で消化するよう努めて。
まず大前提として改めたいのは、もっと彼氏を信用すること。
どんな原因で嫉妬心が芽生えてしまうとしても、その根底にあるのは「もしかしたら彼は女友達を好きになってしまうかも」という猜疑心。大好きな彼なのに信じられないという矛盾は辛いことかもしれませんが、むしろかわいそうなのは彼のほう。大好きな恋人に信用されていないと知ったら、落胆してしまうかも。
「信じたいのに信じられない」「信じさせてほしい」気持ちはわかりますが、それを彼に要求するのは間違いです。あなたが彼をどのように思うかはあなたの勝手。あなたに他人(彼)を変えることができないのと同様、彼にもあなたの猜疑心を変えさせることはできないのです。
彼の行動や言動をどのように受け止めるか──そこに、あなたの中にある「愛情」という名の度量が試されます。疑わしい点ばかりに注目するのではなく、彼があなたに向ける愛情をもっと意識し素直に解釈すること。そうやって、少しずつモヤモヤした疑いの気持ちを自分の中で消化していくことが最善です。むしろそれしか解決方法はありません。
仮に異性の友人をシャットアウトしたら、彼はどうなるでしょうか。女性を敬遠することは、彼にとっての交友関係を狭めてしまうこと。(恋人以外の)女性とのコミュニケーションを敬遠したら、ますます女心のわからない男になり、彼の魅力そのものが半減してしまうかもしれません。
たとえこれまでに女友達と恋愛に発展したことがある人だとしても、恋人のいる時期に乗り換えるようなことをするとは限りません。たとえあなたから気持ちが離れその女友達に移ってしまったとしても、それは女友達のせいだけではなく、あなたと彼氏との付き合いかたやあなた自身の(彼への)接しかたにも問題があるはずです。
自分は悪くないと棚上げせず、その嫉妬心を上手にコントロールし、ありのままの彼を丸ごと愛する──行き詰ったり悩んだりしたときは「基本に戻る」ことが大事。出会ったころの気持ちの高まりを思い出して。嫉妬に向けるエネルギーは、彼がよそ見しないくらいふたりの時間を充実させることに転換させるのがベスト。そうすれば、今の不安や猜疑心もだんだんと薄まっていきますよ。
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