まずは低視聴率について。ガイドが分析した原因は大きく3つです。
「入れ替わり」のインパクト
「入れ替わり」ものは映画『転校生』から続く人気パターン。直近では夏の連ドラ『山田くんと7人の魔女』が西内まりやと山本裕典の入れ替わりが楽しめました。ただしこのパターンは入れ替わった後の「ギャップ」のおもしろさがポイント。テレビドラマでは『パパとムスメの7日間』の舘ひろし・新垣結衣の入れ替わりが強烈で印象に残っています。
ところが『夫のカノジョ』の場合、心配症の妻がOLに入れ替わった川口春奈。元ヤンのOLが妻に入れ替わった鈴木砂羽。ともに入れ替わった後の方がいつものキャラに近くなってしまっており、いまいちインパクトに欠けます。他の設定・ストーリーも、悪いとは言いませんがゴールデンタイムの連ドラにするには全体にヌルすぎます。
枠カブり
そして前回のガイド記事「連ドラ枠を作るなら:キャラと枠はカブらない方がいい」でも書いた枠カブり問題。『渡る世間は鬼ばかり』の終了後にできた木曜ドラマ9時枠、裏にテレビ朝日系の連ドラ枠があるため苦戦続き。今回は特に相手が、今期ナンバーワンの『ドクターX』だからキツい。まだ早い
そして川口春奈が、ゴールデンタイムのドラマの主演にはまだ早いというのも大きい。「三井のリハウス」ガールと「ポカリスウェット」、人気アイドルを輩出する二つのCMを同時にこなして絶賛売出し中の川口春奈ですが、今がゴールデンタイムの主演をするタイミングなのでしょうか?深夜ドラマで映画化もされた『桜蘭高校ホスト部』を始めとした主演ドラマ、映画を見ても大きなヒット作はいまだありません。それでも主演しているのは、所属事務所である研音の育成方針でしょう。「早い段階で主演を経験させて大きく育てる」という方針があると聞いています。研音は唐沢寿明・山口智子夫妻を筆頭に、男優は反町隆史、竹野内豊、沢村一樹、速水もこみち、女優は天海祐希、江角マキコ、菅野美穂とビッグネームを取り揃えています。その力を生かして若手を早い段階にドラマで重要な役どころに押し込み、実際に新たなスターを産んできました。
しかしその方針も諸刃の剣。どうしても「主演には早すぎた……」ということも出てきます。同じような例では速水もこみちの連ドラ初主演作『レガッタ~君といた永遠~』。テレビ朝日系金曜21時で平均視聴率5%台と大コケでした。
続いて「放送終了日予想は」