昭和の頃のこの時間帯は、刑事ドラマの名作『太陽にほえろ!』が君臨し、それに「金曜8時だから」と名前が決まった『3年B組金八先生』が挑戦するなど激戦の歴史が。しかしだんだん退潮になり、97年以降はドラマがつくられなくなりました。
なぜ激戦区に
それがいきなり二作始まり激戦区に。フジテレビは亀山千広社長、大多亮編成制作担当常務、『家族の裏事情』に『リーガル・ハイ』『陰陽屋へようこそ』を制作するフジ系製作会社・共同テレビの山田良明社長と、80年代末から90年代にかけてのフジテレビドラマ黄金時代を築いた三人が要職にあるためかドラマに勝負をかけているようです。いまや日曜日を除いてほぼ毎日連ドラを放送しています。 一方、テレビ東京は2010~11年、月曜22時に連ドラ枠をつくり、『鈴木先生』が内容は評価されたものの視聴率は低く、一年で撤退。それにつづくリベンジです。
競合するとつらい
しかし同じ時間帯で連ドラ枠が二つあるとどちらかがボロ負けしたり、共倒れしたりしがち。木曜21時台は『ドクターX』ヒットの裏で『夫のカノジョ』は消費税率割れの異例な低さ。水曜22時台は以前は日本テレビ系が『ハケンの品格』『ホタルノヒカリ』などヒットを飛ばしていましたが、今春から同じ時間にフジテレビも連ドラを始め、最近は冴えません。
そこで裏番組の観点から、これから新しい連ドラ枠を作るならどの時間帯がいいのか?勝手に考えてみました。
裏に連ドラがあるのはもちろん、中高年層に強い2時間ドラマや、同じフィクションの映画枠があると影響があります。そこで曜日・時間帯別に表を作ってみました。数字は首都圏の地上波で放送されている連ドラ数。左上から右下への網掛けは2時間ドラマが放送されている枠。逆に右上から左下への網掛けは映画放送枠。格子は2時間ドラマも映画も放送されている枠です。(大河ドラマは除く)
ドラマ枠状況
空いているのも理由が
これを見ると20時台はまだまだ空いている時間帯はありますが、20時台は視聴者に高年齢層が多いため、刑事・事件ものや時代劇が中心。フジ系金曜20時の『家族の裏事情』はホームドラマで苦戦しています。連ドラの花形・21時台、22時台で空いているのは月曜22時、金曜21時、土曜22時、日曜22時の四枠です。
このうち一番難しそうなのは金曜21時。この時間は2006~11年にテレビ朝日系がABC大阪朝日放送の制作で連ドラを放送していました。加藤ローサの「のし上がっちゃるけん」がウケた『女帝』などのヒット作はあったものの全体には低迷。
その理由は裏の日本テレビの映画枠。ジブリ作品とハリー・ポッターシリーズ、強力なコンテンツを2つ持っている強みがあります。連ドラのスタートにあわせてこの2つをぶつけてくることが多く、それにやられてしまいました。22時からのTBS系金曜ドラマも苦戦中です。
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