30年前の二世帯住宅は嫁姑の戦い、そしてマスオさん
長男の嫁は同居するのが当たり前と求められた時代の二世帯住宅は分離方法が問題だった。
長男の嫁は同居するのが当たり前と求められた時代で、まだまだ立場が弱かったお嫁さんがどうすれば暮らしやすくなるか、年を取ったお姑さんがいかに快適に暮らせるか。
つまりお互い干渉しあわないための「家の分離方法」に注力したプランが求められていました。
それから少しして、生まれた言葉がマスオさん現象です。漫画サザエさんの中の登場人物のように、妻の実家に同居する二世帯スタイルのことで、「あの家ってマスオさんなんですって、奥さんは羨ましいけれど旦那さんは大変そうね」なんて噂をされたりしたものでした。
実は私も、マスオさん型二世帯同居の経験者です。LDKとトイレはそれぞれ分離し、浴室と玄関は共用という部分同居スタイルにリフォームして暮らしました。これはこれでまた別の問題があるのですが、嫁姑の確執に比べれば実の親娘で暮らすほうが気楽だろうと人気のスタイルでした。
二世帯にリフォームすることで生活が向上するという意識
二世帯にすることで更に生活が向上するというメリットを強く意識して計画している人が多い。
同居の理由を訪ねた様々なアンケートを見てみると、親の老後の面倒を見るため、という回答が多いのはもちろんなのですが、その他に下記のような回答も目立っています。
- 家事や育児で助け合うため
- 親子で楽しく暮らすため
- 経済的に楽に暮らせるから
- 家が高くて買えないので(子世帯)
- 家が古くなってきたから(親世帯)
二世帯住宅で同居することは、働く子世帯を親世帯が助ける、健康に不安が出てきた親世帯を子世帯が助ける、孫の面倒を親子世帯で一緒に見るなどの助け合いの他にも、土地や建物の有効活用、生活費の節約、贈与税対策などでもメリットがあります。
仕方なく同居するというより、同居によるメリットを上手く活用する、そのための二世帯リフォームという前向きの発想をする人が増えていると感じます。
次のページは、意識の変化に伴い変わってきた二世帯リフォームのプラン、リフォームでの欠点が欠点でなくなる、二世帯同居解消後の使い道についてです。