“フェラーリの現在”を代表するフラッグシップ
2012年のジュネーブショーに初登場した、新世代12気筒を積んだフラッグシップ。ボディサイズは全長4618mm×全幅1942mm×全高1273mm、ホイールベースは2720mmとなる。価格は3590万円
そして、それは、伝統のフロントエンジン・リアドライブである。
フェラーリというと、どうやら今は、ミドシップのスーパーカーというイメージが強くなってしまっているらしい。しかも、12気筒ではなく、8気筒の……。そんな風潮を前にして、V12をフロントノーズに収める2シーターモデルこそフェラーリの伝統に適うもの、そんな強烈な主張が、これからF12には籠められている、というわけだった。
ラフェラーリや458スペチアーレといった、“スペシャルな限定車”を除くと、F12は、フェラーリ史上最強のロードカーだ。フィオラノサーキット(フェラーリの聖地マラネロにあるテストコースでF1チームもここでテストを行なう)のラップタイムで、エンツォや599GTOを上回った。F12登場の6年前に登場した“旧型”599を3.5秒も上回る“進化”を果たしている。
もちろん、その圧倒的なパフォーマンスをうみだしているのはF140CFCエンジン、すなわち6.3リッター直噴V12DOHCユニットだ。740ps/690Nmというパワースペックを誇り、それが軽量化されたアルミニウムストラクチャーに積まれて、後ろの2輪で路面を蹴りとばす……。