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あまロスなんて怖くない、僕達にはちりとてちんがある(2ページ目)

「あまロス」対策にオススメは再放送が始まった『ちりとてちん』。過去と現在を結ぶつながりや伏線の多さや朝ドラ史上前代未聞のヒロインキャラがポイントですが、『あまちゃん』直後に見返すと共通点も目立ちます。ヒロイン家族がひさしぶりに帰郷、ひさしぶりなのは祖母と母/祖父と父の間にわだかまりがあって……に始まり細かいところまで。一番似ているのはおもしろさが視聴率につながらなかったところ?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

まだまだある共通点

思いつく共通点を箇条書きにあげてみます(前が『あまちゃん』/後ろが『ちりとてちん』)。

  • 愛唱歌と実際に出た歌手は「いつでも夢を」と橋幸夫/「ふるさと」と五木ひろし
  • 過去と現在を結ぶ物語のキーが「潮騒のメモリー」/落語「愛宕山」
  • 北三陸を出るとき北三陸鉄道にむかって夏が大漁旗を振る/小浜を出るとき小浜線にむかって母・糸子(和久井映見)が「ふるさと」を熱唱し、叔父・小次郎(京本政樹)が大漁旗を振る

一番、似ているのはヒロインのライバルで親友関連。
  • 「潮騒のメモリーズ」のかわいい方・足立ユイ(橋本愛)/ヒロインB子・和田喜代美と同姓同名のA子・和田清海(佐藤めぐみ)
  • ヒロインの初恋の人、種市先輩(福士蒼汰)/徒然亭草々(青木崇高)は最初はライバルが好きになる。
  • ライバルの兄・ヒロシ(小池徹平)/友春(友井雄亮)はヒロインのことが好き。
  • 父は地方の名士、県会議員→市長(平泉成)/地場産業である箸の大手社長(川平慈英)
  • 家庭的で良くできた母(八木亜希子/生稲晃子)

対称的なところもあり
  • ユイは腹黒い/A子・和田清海は性格もいい
  • ユイの父が倒れ、母も家出をし東京に行けない/清海はキャスターを目指し東京に行くが挫折、母が病気で小浜に戻る(しばらくやさぐれているのは共通)
細かいところでは
  • うまい食べ物はウニでビミョーなのはまめぶ汁/焼きサバとへしこ(特にへしこのでっち羊羹)
  • 主要登場人物に観光協会の菅原会長(吹越満)/観光協会の竹谷事務局長(渡辺正行)
  • 過去に経緯がありたちはだかるのはオフィス・ハートフルの太巻(古田新太)/天狗芸能の鞍馬社長(竜雷太)
目指すは
  • あまカフェの復活/ひぐらし亭をつくる
だけど最後は
  • アイドルとして映画主演までいったが地元に戻る/落語家として順調だったがおかあちゃんになる
と上昇志向じゃない結末を迎えます。


話題になっている割には

ある程度パターンができあがっている朝ドラとはいえ似すぎです。考えられる原因は『ちりとてちん』で演出陣の一人だった井上剛ディレクターが『あまちゃん』ではチーフ演出になっていること。

『あまちゃん』は話題になっている割には視聴率があまり上がらなかったといわれていますがそれでも上がっただけまだいい。『ちりとてちん』は一部で盛り上がっていた割りには視聴率は下がり続けました。
その違いはTwitterなどソーシャルメディアの普及が進んでみんなで盛り上がりやすくなったことと、NHKオンデマンドにより最初からみやすくなったことでしょう(NHKオンデマンドは『ちりとてちん』本放送途中の2008年12月からサービスを開始)。

ということではじまって一ヶ月ちょっとの『ちりとてちん』、まだ追いつけます。

 

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