窓近くの体感温度をあげる
断熱化の中でもっとも影響を与えるのが窓であれば、実際にどんな工夫をすればよいのだろう。一般には複層ガラスを採用します。しかし、地域によってはサッシ枠に結露を発生させます。開閉がやや面倒くさいという人もいるかもしれませんが、外側は単層ガラスのアルミサッシにして、内側を木製窓にすることもひとつの考え方です。木は断熱性能に優れた材料です。また内側を木窓にすることで室内に高級感とあたたかい演出が図られます。それと体感温度が違います。体感温度は、人間の肌が感じる温度の感覚を数値に表わしたものです。たとえば外にいて風が強い時などは体感温度が低く感じます。室内にいても部屋のまん中にいるよりも窓近くにいくと寒く感じられるものです。
<単層ガラス 1枚>
寒い=窓が冷えているため体感温度が低い
<単層ガラス+木製窓 2枚>
暖かい=窓が冷えていないため体感温度が高い
外気温0℃の場合、室温が同じでも窓ガラスの室内側表面温度が10℃違うと体感温度は5℃変わります。
暖冷房費も大幅ダウンに
一つの目安ですが、延床面積約45坪の家で単層ガラスの場合、年間の暖冷房費は約11.5万円、これを二重サッシに変えた場合は約8.5万円です。3万円程度の省エネになり月々2,500円の節約です。さらに、二重サッシにすることで防音性能や防犯性能もアップされます。特に防音性能は高く、80dB程度の騒音は、40dBまで下がります。インナーサッシとして樹脂サッシも多く出廻ってきました。しかし内部空間に本物の木を使うことで結露も防げ、やさしい雰囲気をつくってくれます。コストは若干割高にはなりますが、近年は高さ2.4mまで対応可能な製品も出廻っています。
木製のインナサッシを設けた例