気になる消費電力量
従来、プラズマテレビは、液晶に比べ、消費電力の高さが気になりました。今回の「NeoPDP」採用モデルは、消費電力が従来モデルの半分近くに削減されているとの事なので、非常に興味があり、実際に、液晶と比較測定してみました。まず、測定の条件ですが、「TH-P50V1」の映像モードを「標準」に設定し、明るさ自動調整機能をOFFにした状態で、白(100%)と黒(0%)が半々のテストパターンを表示させ、白の輝度を測定しました(約80cd/m2)。
次に、2007年に発売された液晶テレビの映像モードを標準に設定し、同上の条件で、白の輝度が約80cd/m2になるよう、バックライトの光量を調整し、準備完了です。
いよいよ、消費電力の測定です。黒~グレー(50%の白)のグラデーションパターンを表示させると、プラズマの「TH-P50V1」は約160Wh、52型液晶は約170Whと、プラズマがやや有利な結果になりました。 次に、グレー~白のグラデーションパターンを表示させると、プラズマの「TH-P50V1」は約330Wh、52型液晶は約140Whと、液晶が圧倒的に有利な結果になりました。
測定結果から、最新の省エネ液晶を除き、暗い部屋で映画など、比較的暗いシーンの多い映像を見る場合、プラズマも液晶も消費電力は同等。一般的なテレビ放送番組のように、明るいシーンの多い映像を見る場合、液晶のほうが、有利と考えられます。
但し、気をつけたいのは、液晶の視野角です。液晶テレビは正面かる見ると明るいのですが、斜めから見ると暗く見えます。つまり、光を正面方向に集中させているために、少ない消費電力で、明るい映像を表現できると言えます。これに対し、プラズマは、上下左右、かなりの角度から見ても、その明るさは殆ど変化せず、全方向に光を放っていると言えます。
つまり、単に液晶が発光効率に優れ、プラズマが劣っていると判断するのは早計です。どちらにも、得意、不得意があり、自分にとってどちらが適しているかを考えたいものです。
総じて、映画を鑑賞する場合、部屋を暗くして、映像も暗く調整して見る事になるので、「NeoPDP」搭載プラズマテレビの消費電力量については、液晶と同レベルと考えて差し支えないでしょう。逆に、黒の沈み、階調再現の良さ、視野角による見え方、輝度の変化が少ない事を考えれば、プラズマがお薦めと言えます。
ちなみに、明るい部屋で、テレビ放送を見ると、「NeoPDP」と言えども、消費電力の点では、液晶には一歩譲る状況と言えます。昔のプラズマのように、パネルの輝度が不足し、明るい部屋では画面が暗くて見え辛いといった不具合はありませんが、画面が明るくなると、消費電力がそれなりに多くなる場面もありました。
消費電力に限れば、日常のテレビとして、日中の明るいリビングでも長時間使うなら最新の省エネ液晶が有利、逆に、シアター環境で映画鑑賞なら同等の消費電力で、画質の優れるプラズマが有利と言えそうです。
参考:
上記測定に関する記述の中で、80cd/m2と言う画面の明るさは、周囲の照度が200lux程度で丁度バランスが取れていました。 200luxは、JIS規格に照らすと、リビングでの団欒に適した照度で、読書などには少しくらいと感じる程度です。
さいごに
プラズマテレビは、表面がガラスで覆われており、映り込みが心配でした。ところが実際に200lux程度の照度の部屋で、通常のテレビ番組を視聴すると、映像の明るさで掻き消され、映り込みが気になる場面はありませんでした。逆に、テレビの電源をOFFにしている間、画面の艶がインテリアとマッチして心地よく感じられるのは新たな発見でした。特に、「TH-P50V1」は、前面が1枚のガラスで覆われ、凹凸が少なく、スッキリとしたデザインだからかもしれません。次の機会には、プラズマテレビ全般や、「TH-P50V1」の画質力を引き出す設置方法、設定方法をご紹介したいと思いますので、お楽しみに!!
VIERA TH-P50V1 (50)
VIERA TH-P46V1 (46)
VIERA TH-P42V1 (42)