現在の借入状況や、過去の延滞履歴に要注意
民間教育ローンの審査では、申し込んだ金融機関が加盟及び提携する個人信用情報機関などから個人情報を収集して、その人の返済能力をチェックし、融資の諾否を検討します。たとえば、現在および過去のローンの借り入れ状況や返済状況、クレジットの利用履歴などによって、すでに返済中のローンが複数あったり、残高が多額である場合、また過去に何度も延滞していたりする場合は、審査を通らないこともあります。
また、住宅ローンを除いた無担保ローンの場合、一般的に借入額の合計は年収の50%以内となっています。先に借りているカードローンなどがあれば、その残高と、新たに借りる教育ローンの借入額の合計が年収の50%を超える場合、教育ローンの借入額は少なくなることもあります。
さらに、年収に占めるローン返済額の割合(返済負担率)もポイントになります。これは、そのとき返済中のローンの返済額と、新たに借りる教育ローンの返済額の年間合計額が、年収に対してどれくらいの割合になるかということ。一般的には40%までが目安となるため、この返済負担率によって、教育ローンは融資限度額まで借りられないこともあります。
問題なければ、審査をおそれる必要なし!
前述のような事情から、教育ローンを利用したい場合、住宅ローン以外のローンがあれば、早めに返済しておくことが大切です。「他のローンを一括で返せるほどお金があれば、教育ローンなど借りない」と思う人もいるでしょうが、少しでも資金があれば、一部繰り上げ返済で、できるだけ残高を減らしておくのもいいでしょう。他の金融機関で借りたローンでも、個人信用情報機関を利用すれば、審査の段階でわかってしまうので、借り換えによって、申し込み先のローンだけ返しても、あまり効果はありません。日ごろからローンに頼った暮らし方を改めることが大切といえるでしょう。
もちろん、「住宅ローン以外にローンはない」という人、「クレジットカードも含め、延滞などしたことがない」という人なら、教育ローンの審査をおそれる必要はありません。
とはいえ、金融機関によっては審査に数日かかることもあります。審査結果を待って契約し、融資が実行されるまでは、さらに数日かかることも。入学先が決まってから申し込み、審査となると、「入学金などの支払いに間に合うかしら…」とハラハラすることもありますし、金利などを比較して有利な金融機関を選ぶ余裕もなくなります。
大学や専門学校では、提携の教育ローンを用意しているケースも増えていて、学校の提携ローンだと審査も早くすむことが多いのですが、融資利率はやや高めの傾向があります。できるだけ低利率の教育ローンを利用したいなら、余裕をもって早めに調べ、動き始めることが重要でしょう。
ちなみに、審査結果の有効期限は、金融機関によって3か月~4か月と決まっています。年内に申し込み、審査をすませ、年明けに入学先が決まってから契約することもできるので、利用したい教育ローンが見つかったら、その点も確認しましょう。