株・株式投資/決算書からチェック!気になる銘柄の株価

設備投資が回復することでリース業界に恩恵は?

リース業界は、成熟産業であり、なおかつ高レバレッジのリスクが高いビジネスを展開していると考えます。このような特徴が如実に反映されているのがPER。業界を代表するオリックスのような企業を始め、総じてPERが低くなる傾向にあります。1株価値を算定するときには気をつけましょう。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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リース業界は企業にとって不可欠な存在

安倍政権になり、黒田バズーカが発射され、少しずつではありますが、着実に景気が回復しています。景気が回復すれば、企業による設備投資が活発になります。その恩恵を受けるのは、ひとつは設備を製造販売している企業です。もうひとつは、その設備投資資金を提供している企業、つまり銀行やリース会社です。

リース業界は、オリックス<8591>を筆頭に、企業にとって必要不可欠な存在になっています。また、オリックスについてはリース業だけで満足することなく、2013年7月にオランダの資産運用会社ロベコを買収するなど、多角化による事業拡大を着々と進めています。それではオリックスなどのリース会社は投資対象として魅力があるのでしょうか?

業界規模は飽和しており、国内市場の成長は期待できない!

リース業の業界規模は、成長しているのでしょうか? 成熟しているのでしょうか?

公益社団法人 リース事業協会が公表しているリース取扱高(各年度におけるリース契約の締結総額)は、リーマンショック前までは横ばい、リーマンショック後は設備投資の冷え込みにより縮小しました。

【図1undefinedリース取扱高の推移】

                                【図1 リース取扱高の推移】


このことから2つのことがわかります。

ひとつは、リース業界は、企業の設備投資の影響を大きく受けることです。
もうひとつは、日本国内の景気が停滞し設備投資が増加しなければ、リース業界も今後成長することはない。基本的には成熟している業界だということです。

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