住宅ローン借り換え後に住宅ローン控除を受けるための条件
・新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること・新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること
住宅ローン借り換え後に、住宅ローン控除を受けるためには、この2つの条件を満たす必要があります。つまり、借り換え後のローン期間が10年以上であることが大前提です。借り換え前のローンとの期間通算ではありませんのでご注意ください。
また、住宅ローン控除が適用されるか否かは、その住宅を取得した年に遡って条件を確認します。控除対象年数が10年であれば、居住開始から10年を超えていれば、控除を受けることはできません。
例えば、住宅ローン控除を10年使える人が、住宅購入の7年目に借り換えを行ったのであれば、これまでの6年間、住宅ローン控除を使ってきたのですから、残りはあと4年間となります。借り換え後の住宅ローンが10年以上あっても、住宅ローン控除の期間延長はありません。
住宅ローン控除を受けていなかった場合でも“借り換え”で可能となることも
住宅取得の際に、ローン期間が10年に満たないことが理由で、ローン控除の適用が受けられなかった場合は、借り換え後の期間を10年以上にすることで、控除の対象になる可能性があります。また、親戚からの借金で住宅を取得したことが理由で、住宅ローン控除が受けられなかった場合に、銀行ローンへ借り換えができたような場合も、控除の対象となる可能性があります。このようなケースにおいては、詳しくは最寄りの税務署にお問い合わせ下さい。
間違えやすい還付金額の計算
住宅ローンの借り換えには、登記費用や保証料といった、諸経費が必要です。銀行によっては、この諸経費を新たな住宅ローンの融資額に含めて貸してくれます。銀行を変えることで、ローン残高が増えるということは、本来の年末残高(借り換え前の銀行の年末残高)よりも、借り換え後の年末残高が多いことになります。住宅ローン控除は年末残高が基準となるため、残高が増えていると税金を多く還付されることとなり、もらい過ぎることになります。そこで、調整が必要となるのです。具体例を見てみましょう。
諸経費も加えて借り換えをした場合に必要な、住宅ローン控除の調整方法
●借り換え前の住宅ローン- ローン残高: 2710万 3842円 【A】
- 年末の残高予定額: 2680万 5860円 【B】
- 残り期間 : 28年9カ月 (住宅購入後6年3カ月経過)
- 金利: 2.72%
- ローン開始額: 2800万円 【C】
- 年末残高: 2761万 183円 【D】
- 融資期間: 28年
- 金利: 1.74%
もし、借り換え後の年末残高をそのまま使ってしまうと、27万6100円(2761万183円×1.0%)となり、借り換え前の金額(26万8000円)よりも、多く税金の還付を受けてしまうことになり、これは誤りです。
そこで、住宅ローンに諸経費も加えて借り換えをした場合は、年末残高を次のように調整します。
- 現在の年末残高【D】×借り換え時のローン残高【A】÷借り換え時のローン開始額【C】
- 2761万183円【D】×2710万3842円【A】÷2800万円【C】=2672万6501円
会社員の方は、住宅ローン控除は年末調整で終了です。そこで、住宅ローン減税の残り期間があれば、住宅ローンの借り換えをした旨を年末調整を担当している部署へ報告が必要です。報告が無いと、単純に年末残高で算定してしまい、間違った年末調整となる可能性があります。
年末調整ではなく、確定申告をしている方であれば、ご自身で税金の計算です。正しい申告をするためにも、注意してください。税理士さんに依頼している場合は、住宅ローンを借り換えた旨を同様に報告しましょう。
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