突然夫からの離婚宣言
夫からの離婚宣言
じつはここ数年、なんの前ぶれもなく夫から離婚を切り出される妻からの相談が増えています。そこで今回は、実際の相談ケースをもとに、なぜ夫たちが突然、妻に別れを告げたのか、その理由を考えてみましょう。
<目次>
ケース1:「産後クライシス」におちいった夫婦の場合
自分では普通の結婚生活を送っていたはずでも、夫から突然、離婚を切り出されるケースもあります
そんな夫にイライラしてばかりのK子さんは、顔を合わせるたびに不満をぶつけていました。「周りのパパたちは、みんな“イクメン”なのに、あなただけどうして育児に協力的じゃないの?」「少しは手伝ってくれたっていいじゃない!」「なぜ私だけが辛い思いをしなければならないの?」と、いつも最後は涙声になってしまっていたと言います。
あるとき、いつものように夫に不満をぶつけていたら、いつもは黙って聞いている夫がひと言。「もういいよ。そんなに辛いなら別れよう」と、冷静な口調でK子さんに離婚を切り出したのでした。「そんなつもりで言ったんじゃないのに……」とK子さんが取りなしても、夫は意見を変えようとしないとのこと。本気で離婚を考えなければならないのか、今もK子さんは悩んでいます。
アドバイス:まずはお互いの不満を話し合ってみて!
出産後、子どもが誕生したために夫婦間の関係が悪化してしまう現象を「産後クライシス」と呼びます。産後クライシスは現在、社会現象にもなっている事態で、朝の情報番組でも取りあげられるなど話題になっています。産後クライシスになると、夫婦は互いにストレスを抱えはじめます。妻は、「夫が子育てに協力してくれない」「家事をしてもねぎらってくれない」「疲れているのにセックスを求めてくる」といった不満、夫は「家に帰っても妻がやたらとピリピリしている」「子ども中心の生活で、自分をかまってくれなくなった」「セックスを拒むようになった」といった不満が、それぞれのストレスの原因になることも多く、それをこじらせるとK子さん夫婦のように離婚にまで発展してしまうことにもなりかねません。
そうなる前にすべきことのひとつとして、ギクシャクしはじめた段階で夫婦だけの時間を設けて、とことん話し合ってみることをおすすめします。子どもを預けるなどして、本来の夫婦だけの時間を取り戻し、余裕のある状況で一度、とことんお互いの不満を伝えるようにするのです。
自分の抱えている不満について、意外と相手は気づいていないことも多いもの。「なんだ、そうだったのか!」と気づくことで、パートナーを思いやれる気持ちになることもあります。
産後クライシスについては、次回の記事でも詳しくご紹介したいと思います。
ケース2:浮気相手に本気になった夫の場合
夫からの突然の離婚宣言の陰には、女性の存在がある確率はきわめて高いでしょう
とはいえ、夫婦仲がさほど悪いというわけではなく、週末になれば二人で買い物に出かけたり、映画を観に行ったりと、ごく普通に平穏な夫婦生活を送ってきたとのこと。「それなのに、ある晩遅くに帰ってきたと思ったら、急に離婚を切り出されてしまって……。私にはまったくといっていいほど心当たりがありません。とにかくショックで頭が真っ白になりました」と、落ち込むY美さんでした。
アドバイス:突然の離婚の陰には高確率で「女性」の存在アリ!
民法には、離婚の訴えを起こすことが可能な場合として、次のようなことが掲げられています。「配偶者に不貞な行為があったとき」「配偶者が悪意で遺棄されたとき」「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」というのがそれです。こういった明白な理由もなく、前出の産後クライシスにあてはまるわけでもない場合、突然、離婚を切り出す夫には、気になる女性がいると思って間違いないでしょう。夫が「もうやっていかれない」「ひとりで考えたい」「自信がなくなった」などというときは、異性の存在があるケースがほとんど。Y美さんのように、妻にとっては青天の霹靂で納得できないかもしれませんが、夫が浮気をしていることは多いのです。
厳しい言い方をするようですが、「もうやっていけない」「自信がなくなった」のは、あなたとの結婚生活に限ってのこと。ほかの誰かとであれば、結婚生活を営めるという意味なのです。
その場合、大切なのは、まずは危機感をもって現実をしっかりと見つめること。事実を把握することからすべてがはじまります。そして、浮気が発覚したら、冷静に賢く浮気を消滅させて、夫婦関係を修復することを目指しましょう。夫の浮気をやめさせる方法はいくらでもありますから、戦略的に考えて、効果的な方法を選び、実行することをおすすめします。
いずれのケースにしても、離婚を切り出された段階では、まだまだ修復可能なことが多いといえます。「もうダメだ。離婚しかない」と諦めたり、決断を下したりするには早すぎるのです。
自分の幸せがどこにあるのかをあらためて考える機会になることも事実。夫婦のありかたを見直すためのチャンスだと思って真摯に受けとめ、勇気を持って新たな幸せの一歩を踏み出しましょう!
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