子育て/子育てに役立つ最新心理学

おもちゃの貸し借り、子どもにどう教える?(2ページ目)

子ども同士、仲良く遊んでいると思ったら、いつしかおもちゃの取り合いに、という経験はありませんか? そのときママはどう関わっていったらよいのでしょうか? アメリカの大学の研究で分かった、子どもがすんなりとおもちゃを貸してあげたくなる心理テクをご紹介します。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

貸し借りをスムーズにするコツ

ここでのポイントは2つ。
  1. 貸すか、貸さないかは子どもに決めさせる
  2. その子にとって大事なもので決断させる
ということです。

これを読んで、意外と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 一度、苦渋の決断を迫られた子は、次のときに、より慎重になり、「貸したくない」という気持ちが前に出てくるのではないかと。

研究者達は、この子ども達の心の変化を次のように説明しています。

”難しい決断を迫られ、頑張って貸してあげたことで、子どもは、自分自身のことを、「ボク(ワタシ)は、貸し借り上手な人間だ」と見るようになり、自分の中の「向社会性(*)」を目覚めさせる。”

つまり、自分の大事なものを貸してあげた経験が、「いいことしている!」という喜びを倍増させ、「次も貸してあげよう」という気持ちへと移行しやすくしてくれるのですね。

著書「輝くママの習慣」でも強調した、子ども達に「決断をさせる」「選ばせる」ことの重要性。親はついつい、「○○ちゃんに貸してあげなさい」と強要してしまいがち。でも、子どもも立派なひとりの人間です。大事な決断をあえて子どもに委ねてあげることで、子ども達は大きく成長してくれます。

1回ですぐに貸せなくてもOK。長い目で見れば、「自分で決断する」この経験を積んでいくことの方が、その子の将来につながります。ぜひ、子ども達に、「迷うような選択肢」をバンバン投げかけていきましょう!

■心理学用語解説:「向社会性(*)」とは、「見返りを期待することなく、他の人や他の集団を助け、役立とうとする行動」を意味します。「反社会性」の反対語というとイメージしやすいかもしれません。お友達と仲良く楽しく過ごすために必要な資質の1つです。


参考図書


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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