貸し借りをスムーズにするコツ
ここでのポイントは2つ。- 貸すか、貸さないかは子どもに決めさせる
- その子にとって大事なもので決断させる
これを読んで、意外と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 一度、苦渋の決断を迫られた子は、次のときに、より慎重になり、「貸したくない」という気持ちが前に出てくるのではないかと。
研究者達は、この子ども達の心の変化を次のように説明しています。
”難しい決断を迫られ、頑張って貸してあげたことで、子どもは、自分自身のことを、「ボク(ワタシ)は、貸し借り上手な人間だ」と見るようになり、自分の中の「向社会性(*)」を目覚めさせる。”
つまり、自分の大事なものを貸してあげた経験が、「いいことしている!」という喜びを倍増させ、「次も貸してあげよう」という気持ちへと移行しやすくしてくれるのですね。
著書「輝くママの習慣」でも強調した、子ども達に「決断をさせる」「選ばせる」ことの重要性。親はついつい、「○○ちゃんに貸してあげなさい」と強要してしまいがち。でも、子どもも立派なひとりの人間です。大事な決断をあえて子どもに委ねてあげることで、子ども達は大きく成長してくれます。
1回ですぐに貸せなくてもOK。長い目で見れば、「自分で決断する」この経験を積んでいくことの方が、その子の将来につながります。ぜひ、子ども達に、「迷うような選択肢」をバンバン投げかけていきましょう!
■心理学用語解説:「向社会性(*)」とは、「見返りを期待することなく、他の人や他の集団を助け、役立とうとする行動」を意味します。「反社会性」の反対語というとイメージしやすいかもしれません。お友達と仲良く楽しく過ごすために必要な資質の1つです。