隠れた実力者!? 予想以上のパフォーマンス
さて、パフォーマンスの方だが、実はこれが予想以上の好成績。ベンチマークで計測したところAnTuTu Benchimark 4.0.3のトータルスコアで32,904という数値を叩き出した。これは、おなじTegra 4を搭載する最新のスマホ/タブレットを大きく上回る性能となっている。この結果から2つの可能性が推測できる。ひとつは、バッテリーを内蔵しておらず常時家庭用電源に接続して利用する前提のため、プロセッサの省電力設定をほとんど使用していないのではないか。ふたつめは、筐体が大きいため放熱効率が高く動作周波数(コンピュータ内部の各回路間で処理の同期を取るためのテンポ)を高い状態に保てるからだと推察される。
これだけのパフォーマンスなので、フルHDの映像の再生や、ゲームのプレイもほとんどストレスを感じることなくプレイできる。ただし、メインメモリが1GBと最新モデルにしては小さいため、アプリを多く立ち上げると切り替えなどでもたつく様子も見られた。
予想外に便利だったハードウェアキーボード
『Slate 21』のメリットのひとつが、PCと同等のサイズとクオリティの専用キーボードが使用できるところにある。この「専用」というのがミソだ。文字入力に利用するキーは一般的な日本語配列だが、ファンクションキーが代わりにアプリや設定項目の呼び出しに割り当てられていたり、Windowsキーの代わりに「ホームボタン」キーになっていたりする。これが使っていると、次第に手放せなくなってくる。アプリを立ち上げ、ホーム画面に戻りたいときにホームキーをタイプする感覚は、Windows 8のそれと非常に近いので、違和感なく使える。またWindowsでおなじみのAltキー+Tabキーによるタスク切り替えも、同様に利用できる。
新しいマシンの使い始めは、自分好みの挙動を見つけるために、頻繁にシステム設定を変更することが多いが、F4キーの位置に割り当てられた設定ボタンを押すだけでよいため、かなりフラストレーションを減らす効果があった。
ウェブ閲覧やメールなどのライトユースには最適
しばらく『Slate 21』を自宅のリビングにおいて使ってみたが、思いのほか便利だった。ちょっとウェブを見たいとき、ニュースや天気予報を調べたいとき、GmailやGoogleカレンダーの予定を見たいときなど、すぐに画面が表示されアプリが立ち上がるので、ストレスなく利用できるところにある。また、DLNA対応の音楽プレイヤーを使えば、LAN内でNASに蓄積している音楽も問題なく楽しめる。ただ、テレビ番組については、DLNAサーバに蓄積した地デジ放送をDTCP-IP対応のDLNAプレイヤーで再生しようとしたが、『Slate 21』では上手く再生できなかった。このあたりは、『Slate 21』とアプリとDLNAサーバーなど複数の要因があり、今回はどこに原因があるのか追求しきれなかった。
フルサイズのキーボードのため、テキスト入力も快適に行えるので、仕事に関する文章を思いついた場合、仕事部屋に移動してPCを立ち上げずに、『Slate 21』でメモして、自分のGmail宛に送っておくという使い方もできた。
ただし、PCに近い感覚で触ることができても、PCと同等の作業ができるわけではないところが気になる場面もある。具体的には写真のレタッチや、Excelなどで込み入った作業をする場合、また多くのファイルを同時に操作するのも難しいところがある。当たり前だが、PCとまったく同じとは行かないことは、しっかり認識したうえで利用する必要がある。
いずれにしろ、21.5型のフルHD液晶を搭載した端末が、およそ4万円という安価な値段で手に入ること自体が驚きに値する。自宅にインターネットにつながるデバイスが欲しいと検討している方、持ち運びできるタブレットにこだわる必要がないなら『Slate 21』を検討する価値は十分にあるといえる。