F1日本GPの前座にスーパーFJが
2013年10月11日(金)~13日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「F1日本グランプリ」。その楽しみはF1世界選手権の超高速レースだけではない。鈴鹿のF1ではサポートレース(併催レース)として、ハコ車のレースと若手ドライバーが鎬を削るフォーミュラカーレースが開催されている。今年も昨年に引き続きハコ車のレースとして「ポルシェ」のワンメイクレース(ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン)が開催されるが、今年はフォーミュラのレースが昨年までの「FCJ(フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン)」から「スーパーFJ」に変更された。スーパーFJ
【写真提供:MOBILITYLAND】
今回開催される「スーパーFJ」のレースはシリーズ戦の1戦ではなく、1戦限りの特別レース。通常は出場ドライバーの年齢制限は無いが、今回のレースだけは若手ドライバーたちにとっての夢の舞台とすべく、29歳以下が出場可能と年齢制限を設けているのが特徴だ。全国から集まった16歳から29歳までの若手ドライバー33人が、多くのF1ファンの前で激しいバトルを見せてくれる。今回はF1の前座レースに選ばれ、注目を集める「スーパーFJ」というレースについてご紹介したい。
スーパーFJとは?
「スーパーFJ」はF1を頂点とするフォーミュラカーレースの中で、底辺に位置する入門フォーミュラカーレースである。主に鈴鹿クラブマンレースなどのアマチュア向けの参加型レースイベントの中で開催されており、興行形レースの際に走行を目にする機会は多くない。しかし、この「スーパーFJ」というレースは最もベーシックなフォーミュラカーレースとして日本のモータースポーツにとって重要な意味を持つレースなのだ。スーパーFJ (TOKYO R&D /RD10V)
「スーパーFJ」のマシンは、1500ccのエンジンを搭載する鋼管スペースフレームで作られた非常に簡単な構造のフォーミュラカー。販売されているマシンの価格は新車で500万円前後に設定されており、低コストでレースに参戦できるようになっている。
【スーパーFJ概要】
エンジン:ホンダL15A SOHC (1500cc、初代フィット用)
フレーム:鋼管スペースフレーム
ミッション:戸田レーシング製5速ミッション
タイヤ:ヨコハマ
「スーパーFJ」ではエンジン、ミッション、タイヤは共通だが、シャシー(車体)はレギュレーションの範囲内で自由に作る事ができ、ウエストレーシングカーズ、TOKYO R&D、自動車工房MYST、ZAP SPEEDの国内の4社がオリジナルシャシーを製造し、参戦させている。すなわち国産のレーシングカーというわけだ。
鋼管スペースフレームのスーパーFJ(フロント部分)
現在主流となっているカーボンモノコックのフォーミュラカーに比べて、鉄パイプを組み合わせた鋼管スペースフレーム構造をもつ「スーパーFJ」は決してトレンディなマシンとは言えないが、若者が最初の入口として活用しやすいように低コストであることに重きが置かれている。その理念のルーツには、かつて隆盛を誇った「FJ1600」というレースがある。次のページでは「FJ1600」から続く、入門フォーミュラの歴史と現在の位置づけを解説していこう。