FJボーイズの闘志剥き出しバトルに期待!

今大会は特別な前座戦ということで、ここ最近は10台ちょっとに留まっていた出場台数が一気に33台に膨れ上がった。それに普段の「スーパーFJ」は何年もレース経験のある40代のドライバーたちが趣味で参戦することが多くなっているが、今回は若手だけで雌雄を決するスペシャルな闘いになることから、新世代FJボーイズ達の気合いも半端なものではないだろう。
スーパーFJ

スーパーFJ
【写真提供:MOBILITYLAND】


出場するドライバーは先にあげたようなスカラシップを得るための準備として参戦するティーンだけではない。スクールでスカラシップを得られなかったドライバーも居れば、スカラシップを得てFCJに参戦したがその後のメーカー支援を打ち切られたドライバーも居る。レーシングカートで豊富なレース経験がある者も居れば、レーサーを夢見たのが遅かったためにレース経験が少ないドライバーも居る。裕福な環境のドライバーも居れば、かつての「FJボーイズ」のように苦労して貯めた資金でレースに出場するドライバーも居る。F1を目指しているドライバーも居れば、国内レースに具体的な目標を設定しているドライバーも居る。本当にそのバックグラウンドは様々だ。しかし、目指す所はひとつだけ。F1と同じ表彰台に登る事なのだ。
表彰台

特別に設えられたF1の表彰台。
【写真提供:MOBILITYLAND】


若手オンリーのレースということで、激しいレース展開になることは間違いなさそう。1戦限りの大舞台での勝負にかける熱いバトルに期待したい。


底辺カテゴリー再興の起爆剤に

「スーパーFJ」は4社がシャシーを製造しているが、そのうちの3社(ウエスト、TOKYO R&D、MYST)は三重県・鈴鹿市にレーシングカー製造の拠点を置いている。FJ1600の時代の前、軽自動車の500ccエンジンを搭載したFL500というカテゴリーがあった1970年代から、レーシングカーの製造は鈴鹿市の地場産業のひとつになっており、モノづくりという観点に於いても他の街にはないノウハウを持っている。
ウエスト

鈴鹿では数多くの入門レーシングカーが長年製造されている。
ウエストレーシングカーズにて撮影。


現在の日本のフォーミュラカーレースのシャシーはほとんどが外国製に頼っているのが現状だ。スーパーフォーミュラはアメリカ製(スイフト社)を使い、来年からはイタリア製(ダラーラ社)を使う。F3も全車がイタリア製(ダラーラ社)、育成カテゴリーのFCJもイタリア製(タトゥース社)だ。こういった形で外国からカーボンモノコックのシャシーを輸入している。

軽くて強度の強いカーボンで作られたカーボンモノコックのフォーミュラカーに比べ、「スーパーFJ」のような鋼管スペースフレームのシャシーはいささか時代遅れなのかもしれない。しかし、こういった鋼管スペースフレームのシャシー製造技術は、安価に楽しめる趣味性の強いレーシングカー作りに応用でき、多くの人に「乗って遊べる」レーシングカーを低コストで提供できる。さらに、中国、韓国、東南アジア諸国にも多数輸出されており、海外でもレースやサーキット走行を楽しんでいる人たちが居るし、需要は今でもある。こういうシンプルなレーシングカー作りに関わる若い人材を育てる事もこれまた急務といえる。
VITA

趣味でレースを楽しむ人向けのレーシングカー作りには、フォーミュラ製作で培ったノウハウが活かされている。


また、レーシングドライバーになりたい人のためにも、こういう低コストのカテゴリーの存在は大事だと感じる。今年は日本人のレギュラーF1ドライバーが存在しない。F1ドライバーですらレギュラードライバーになるために資金提供を求められる時代になり、レーシングカートを頑張っていた親子が現実に打ちのめされてレース活動を諦めてしまったという話を今年はよく聞くようになった。確かに今の時代、F1への道はかなり険しい。しかし、SUPER GTも人気が高く、目標をGTに定めている若手も多い。F1を目指すなら先にあげたエリートコースが吉だが、遅く始めた人でも努力次第でレースの世界に入り込める環境を作らないと、世代の空洞化を招き、国内のプロドライバーの高齢化を促すだけだ。
スーパーFJ

スーパーFJ 


そんな中、「スーパーFJ」にとって日本GP前座レースで注目されることは大きなチャンスであろう。「スーパーFJ」には底辺拡大、モータースポーツ人口の拡大のためにも、この好機をうまく活かして、新たな価値を創造してもらいたいものだ。


【関連リンク】
スーパーFJ 公式サイト

F1日本グランプリ 公式サイト(鈴鹿サーキット)


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