日本でも幅広い世代に知られるフランスのバンド「ジプシー・キングス」
■アルバム名Gipsy Kings
■アーティスト名
ジプシー・キングス
■おすすめ理由
1987年に大ヒットしたアルバムです。ジプシー・キングスの曲は日本のテレビでもときどき聴く機会があり、幅広い世代に何らかの曲が知られているでしょう。
ジプシー・キングスはフランスのバンドですが、全曲をスペイン語で歌っているためスペイン人と思っている人が多いでしょう。もともとは南フランス出身のジプシーだったマニタス・デ・プラタのバンドメンバーだったホセ・レイエスが息子たちと活動していたバンドが母体でした。彼らの親戚だったバリアルド兄弟が参加して現在のグループとなりました。
各地へ巡業するものの、成果は決して芳しくありませんでした。しかし、プロデューサーのクロード・マルチネスと出会い、1987年に発表したのが「Gipsy Kings」でした。これがフランスから世界へ大ヒットを記録しました。
時代劇の雰囲気にはまった「インスピレーション」
「Gipsy Kings」に収録されている「インスピレーション」が、二代目中村吉右衛門さん主演の「鬼平犯科帳」のエンディングテーマに使われたのが日本でのヒットのきっかけです。哀愁の漂うスパニッシュギターが江戸の四季折々の風景とはまり、余韻に浸らせてくれます。「鬼平犯科帳」は第1シリーズから第9シリーズ、その後も2時間ドラマ枠でスペシャルを放送していますが、エンディングテーマが変わっていません。「インスピレーション」という曲に勝るテーマはない、と思わせます。
無骨な歌声と繊細なギターサウンド
インストゥルメンタルの曲もありますが、ボーカルの入った曲の方が多いです。スペインらしい直線的な歌声で大変迫力があります。曲も歌詞も情熱的なものが多く、男性的な魅力にあふれています。ギターは非常に繊細です。映像で見ると細かいリズムを刻んでいたり、優しくメロディを奏でていたり、といったことが分かります。この繊細さが時代劇にもマッチしたのですね。
日本メディアでも多く使用
最近では、発泡酒のコマーシャルでイタリアのカンツォーネ、ドメニコ・モドゥーニョの名曲「Nel blu dipinto di blu」のカバー「ボラーレ(Volare)」がおなじみです。こちらはアルバム「Mosaique」(モザイク)に収録されています。テレビでよく使われるのは、聴いたときのインパクトの大きさのためでしょう。何年経っても古さを感じさせません。