ニューオリンズ音楽の入門書的なアルバム

■アルバム名
ガンボ

■アーティスト名
ドクター・ジョン

■おすすめ理由

1972年にリリースされたドクター・ジョンによる5作目のアルバム、プロフェッサー・ロングヘア、ヒューイ"ピアノ"スミスといった、ニューオーリンズの著名なR&Bアーティストのカバー曲が大部分を占め、ニューオリンズ音楽の入門書的内容となっています。
アルバムタイトルの「ガンボ」は、ルイジアナ州で常食されるスープ料理です。
それはガンボのような音楽のごった煮的な意味合いも含めています。

黒人奴隷としてアフリカから強制的に連行されたアフロ・アメリカンの先祖達と白人との間には、「クレオール」と呼ばれる混血の人種が生まれ、ニューオーリンズで生活したり、その他の地域に移動した事で、アメリカは多国籍人種の国家を形成します。
そんなクレオール達が始めた音楽こそが、今日聴けるブルーズやジャズ、R&Bの元祖です。
このアルバムはアメリカ南部の音楽ディキシー、ケイジャン、ソウル、ファンク、ストンプ等総ての混血音楽を凝縮させ、かつ誰でも素直に楽しめるような手軽さが高い評価を得ています。
ニューオリンズの伝統的なマルディグラ・インディアンを題材にした歌や風土、50年代の古き良き時代をモチーフにしたカヴァや、そのバラエティさはまったく日本とは異質な音楽空間を演出させます。

ロックサウンドとは逸脱したジャンルなので、少し不思議な位置にあたるアルバムですが、アメリカン・ポピュラー・ミュージックの最も原始的な響きが感じられる秀作です。




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