周囲を彩る登場人物たちもこの漫画の魅力の一つ
■作品名グラゼニ
■作者名
作:森高夕次、画:アダチケイジ
■連載雑誌
週刊モーニング
■ストーリーと概要
『週刊モーニング』に2011年2,3合併号から連載が開始された野球漫画です。
当初は不定期連載でしたが、26号から週刊連載となりました。
主人公は、プロ野球チーム・神宮スパイダースに所属する凡田夏之助。
高校時代からスパイダースに注目され、高校ドラフト最下位でプロ入りした8年目の選手です。
ポジションは、ピッチャーで左のサイドスローという変則的な投法。
持ち球は、スライダー、シンカー、フォーク、チェンジアップ。ストレートは平均140キロ台で、変化球に頼らず、球威で押すピッチングもします。
チームからは主に、中継ぎとして使われていますが、ここ数年は安定したピッチング内容を買われ、先発にも起用されています。
夏之助の年棒は8年目で1,800万円。これは、一軍で活躍するプロ野球としては決して多くはありません。
スパイダースの成績は、一昨年はセ・リーグ制覇、さらに昨年は3位からクライマックスシリーズに出場し、日本シリーズ進出を決め、幕張サベージを破り日本一を達成しました。
この優勝争いで活躍した夏之助の年棒は3,300万円まで上昇。
今年は、絶対的な中継ぎのエースとしてリードした終盤に登板、周囲からこのままいけば年棒1億の大台にのるといわれています。
■おすすめの理由
タイトルの「グラゼニ」とは、「グランドには銭が埋まっている」の略です。
一見高額所得者の集まりに見えるプロ野球の選手は、稼げるときに稼いでおかないと引退後の生活が悲惨なものになります。
夏之助もいつもお金に対する不安が頭から離れず、「グラゼニ」という言葉を胸にマウンドに上がります。
描き方で面白いのが、夏之助がバッターと対戦する時、バッターの弱点がどうのこうのではなく、先ず相手の年棒が頭に浮かぶことです。
このあたりプロ野球の真実をついた面白みがあります。
夏之助の周囲を彩る登場人物たちもこの漫画の魅力の一つです。
中でも、正捕手の座を射止めた丸金千太郎、戦力外通知からスパーダースに拾われクローザーに昇格した松浪東次、9月からの男といわれる樹六破の今後は、夏之助の恋愛事情ともども気になるとことです。