重厚さの中にギャグシーンも満載の冒険ファンタジー
■作品名マギ
■作者
大高忍
■連載雑誌
週間少年サンデー(小学館)
■おすすめ理由
「週刊少年サンデー」で2009年より連載中の冒険ファンタジー。
「聖宮」からやって来た「マギ」と呼ばれる不思議な少年・アラジン、そのアラジンに王になることを予言されるバルバッド王国の第三王子・アリババ、最強狩猟民族・ファナリスの末裔でアリババによって奴隷の身分から開放された少女・モルジアナ、この3人を中心に物語は進んでいきます。
主人公たちの名前からもわかるように、この作品のモチーフは「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」。
準主役級でシンドバッド王なる人物も出てきます。
(ちなみに、シンドバッドは男っぷりのいい人物で読者にも人気が高く、『シンドバッドの冒険』という番外編が出ているくらいです)
「アラビアン・ナイト」同様、砂漠のオアシス都市(中東あたり?)から物語は始まっているのですが、その後、遊牧民族の国(モンゴル?)、アリババの故郷バルバッド、シンドバットが治めるシンドリアと舞台を移し、現在の舞台は魔導国家・マグノシュタット。
とある目的のためにマグノシュタットの魔法学院に留学していたアラジンはここで、レーム帝国(ローマ帝国?)や煌帝国(中国?)といった大国を交えた戦いに巻き込まれてしまいます。
壮大なスケールと独特の世界観に基づいて描かれた作品で、専門用語も多いため、途中から読んでも何のことやらわかりません。
「マギ」「ルフ」「ジン」「ダンジョン」「魔力(マゴイ)」「金属器」「眷属」「アル・サーメン」……??
世界の平和を扱った重厚なテーマにも関わらず、意外とすっ飛んだギャグのシーンも多いこと、少女漫画的なかわいらしい人物が描かれる一方で、おどろおどろしい怪物の描写も巧みだったりするなど、作者の大高忍先生の守備範囲の広さには驚かされます。
ぜひ、第1巻から順を追って読んでいくことをお勧めします。