学ぶことの多い昔の人のことば
■名言「およそ小児をやすからしむるには、三分の飢と寒とを帯ぶべし」
■出典
貝原益軒 『和俗童子訓』
■参考データ
HP:www.nakamura-u.ac.jp/~library/lib_data/index.html
(中村学園図書館・貝原益軒アーカイブ)
子どもを健康にするには、ある程度の飢えと寒さを与えよ、という意味。
現代は、本来なら成長期で食欲旺盛なはずの子どもたちが、三食きちんと食べさせるのに
苦労するほど食が細くなり、弁当を完食したといっては親がガッツポーズで喜ぶような時代。
これは飢えを経験することのない飽食によってもたらされた事態に他なりません。
空腹にまさる調味料なし。栄養バランスのとれた食事をしっかり食べさせようと思うなら、
食べさせることより、むしろ、食べさせないことを意識して、
子どもがいつも空腹でいるように仕向けるのが一番効果的ではないでしょうか。
また、人間が本来持っている体温調節機能の発達を促し、暑さや寒さに強い丈夫な体を
作るためには、風邪や熱中症を心配して冷暖房完備の部屋に閉じ込もらせるのでなく、
積極的に外に出て暑さ寒さを経験させたほうが良いはず。
昔の人のことばには、非科学的だったり封建的だったりして、現代では通じないものもある一方、
現代人にない視点をもっていてハッとさせられたりもします。
昔の人のことばなんて、と決め付けずに見直してみると、いろいろ発見があることでしょう。