可愛い絵柄からは想像できない内容の作品

■作品名
ぼくんち

■作者名
西原理恵子

■巻数
全3巻

■おすすめ理由
父はおらず、母は家出し、ヤクザに家を追い出されて、ピンサロ嬢の姉かの子と暮らす一太と二太の兄弟が主人公。河原に住む鉄じい、浮浪者のとろちゃん、トルエンの密売など手広く悪事をこなす不良のこういちくん、父親に毎日なぐられて傷だらけの近所の友達さおりちゃん、アル中&シャブ中のさおりちゃんの父ちゃんなど、主人公をとりまく町の人々もみんな普通ではありません。

そんな社会の暗部を凝縮したかのようなどん底の町の生活が、幼児向けの絵本のようなかわいい絵と、子ども目線の素朴な語り口で、ひたすら明るく描かれた、なんとも不思議な作品です。

洪水で家を流された鉄じいが「貧乏て、ええと思わんか。こんな時、ちょっとも困らんで。」
と笑ったり、弱いネコは逃げてばかりいるから背中に傷ができ、強いネコはむこう傷といって胸に傷ができる、という話を聞いた後、いつも背中が傷だらけだったさおりちゃんが、むこう傷をつくって来てピースしたりと、考えさせられる場面やしみじみと感動させられる場面もいくつも出てきて、すごく読みごたえがあります。

絵柄からは想像できない内容ですので、
絵だけ見て自分の趣味じゃないと決め付けずに、ぜひ読んでみてください。