不動産売買の法律・制度/ガイド:平野の私的不動産用語集

民法

「民法」についての用語解説です。不動産取引の法律や慣習と、民法の規定が異なる場合も少なくないため、契約にあたっては一定の注意が欠かせません。(2017年改訂版、初出:2006年8月)

執筆者:平野 雅之


民 法

【みんぽう】

明治29年(1896年)に公布された総則・物権・債権、および明治31年(1898年)に公布された親族・相続(昭和22年に全面改正)の5編からなる法律。人の身分や財産に関する私法上の一般的な事項を定めている。

第1044条まである大法典だが、制定後の経過年数が長く、何度かの改正を経ているとはいえ、不動産取引においては実情とかけ離れた部分も多く、売買契約書では民法の規定を排除するための条文が必要となることも少なくない。

広義では「不動産登記法」「借地借家法」「戸籍法」なども含めて「民法」と表す場合もあるため、「民法」と題する法律だけを指す場合には、とくに「民法典」とする場合も多いらしい。

なお、従来は片仮名・文語体による表記で「買主カ売主ニ手附ヲ交付シタルトキハ当事者ノ一方カ契約ノ履行ニ著手スルマテハ買主ハ其手附ヲ抛棄シ売主ハ其倍額ヲ償還シテ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得」(557条)のような非常に分かりにくい法律だったが、2004年の改正(2005年4月1日施行)により、平仮名・口語体に改められた。

基本的な内容は明治時代から大きく変わっていなかったが、債権関係規定についておよそ120年ぶりとなる大改正がされた(2017年6月2日公布)。2020年に施行される見込みだ。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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