現代に残る古代文明のミステリーを解いていくSFミステリー
■作品名三つ目がとおる
■作者名
手塚治虫
■巻数
全8巻
■おすすめの理由
手塚作品の中では、他の大作ほど知られていない様な印象がありますが、
かなりの傑作だと思います。
少し年齢より幼く気弱で天然な写楽保介君と、それを守る様な世話焼き役の同級生、和登さん。普段はいじめられっこの写楽君は、実は古代三つ目族の末裔で、おでこのバッテンになった絆創膏をはがすと三番目の目が現れ、超能力を発揮する。
現代に残る古代文明のミステリーを和登さんと解いて行く、スケールの大きなSFミステリー。
幼い頃によんだ私は、世界の謎が残る遺跡が次々とでてくる展開に夢中になりました。
また、絆創膏をはがし三つ目になった写楽君は人格が変わり、少し悪魔っぽい人物になりますが、そこに「悪役の魅力」が存分に発揮されています。既存の「正義のヒーロー」ではなく、
この時代ではかなり思い切った主人公だったと思います。
ただ傍若無人に毒をはくだけでなく、そこには現代への警鐘ともいうべき考えさせられるテーマが含まれています。
子供の時に読んでも歴史ロマンとして面白かったのですが、
大人になってから読んでも存分に楽しめます。