ふたりの姉妹と父母の男女の愛について展開する作品
■作品名『ふたり』(1995)
■監督
大林宣彦
■出演
石田ひかり(北尾実加)、中嶋朋子(北尾千津子)
■DVD販売元
パイオニアLDC
■おすすめのポイント
『ふたり』は小さな時からいつも優秀な姉と比べられ、姉に頼ってきた「無謀で、浅薄で、粗忽で、浅はかで、ドジで、グズで間抜けな妹、実加の成長を描いた青春映画です。大林宣彦監督尾道新三部作の第一作です。
不慮の事故で亡くなった姉の千津子は幽霊となって現れ、妹を応援しますが、次第に妹、実加は成長し、止まった姉の年に近づいて行きます。
尾道は坂の街。物語は坂の途中ではじまり、同じ坂の途中で終わります。この坂は千津子が事故に遭った坂でもあります。10月27日の「千津子忌」には、今でもお線香が上がります。大林監督と原作の赤川次郎との対談によれば、坂の事故のシーンからクランクインしました。
話しの筋は、ふたりの姉妹ばかりではなく、父母の男女の愛について展開して行きます。父の不倫も母の嫉妬も、父親も母親も親である前に男と女であることを否定する実加。複雑であることを知ります。
エンドロールは坂道を背景に流れるテーマソング「草の想い」の声は大林監督。打上げの二次会のスナックで歌っているような声がいいですね。映画館で観ていたら、ロールエンドの途中で立つことはできないです。DVDを見ていても多くのエキストラ、協力会社、そして最後の監督まで、OFFには出来ないです。