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曖昧な理論を繰り広げる「12人の優しい日本人」

三谷幸喜脚本の舞台を映画化した作品。陪審員制度によって召集された12人が、ある事件をめぐって有罪か無罪かを争うというストーリー。「優しい」日本人12人が、いかにも日本人的な曖昧さで理論にならない理論で議論を繰り広げます。本家『12人の怒れる男』の見事なパロディーで、終始笑いの絶えない佳作です。

投稿記事

12人の怒れる男の見事なパロディー作品
『12人の優しい日本人』

■監督
中原俊

■出演
塩見三省、相島一之、豊川悦司、他

■DVD販売元
オデッサ・エンタテインメント

三谷幸喜脚本の舞台を映画化した作品。当時日本には制度としてなかった陪審員制度によって召集された12人が、ある事件をめぐって有罪か無罪かを争うというストーリー。

本家『12人の怒れる男』は、一人の陪審員が、殺人罪を主張する、他の11人を理詰めで説得し、最後は無罪にしてしまうという展開でしたが、こちらは舞台を日本に移し、「優しい」日本人12人が、いかにも日本人的な曖昧さで理論にならない理論で議論を繰り広げます。

本家『12人の怒れる男』の見事なパロディーであるとともに、日本人独特の、白黒付ける事を嫌うという心象を巧みに描いていました。終始くすくす笑いの絶えない佳作でしたね。タイトルにもある通り上映館で3回観ましたし、ビデオ化されてからも10回近くは観たと思います。

後にブレイクするトヨエツこと豊川悦司も当時は全くの無名。有名な俳優はほとんど出ていません。舞台もありふれた一つの部屋の中だけ。つくづく映画とはキャストでもコストでもないな、と実感させてくれた一作でした。

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