現代を予期した様なサスペンス映画
■作品名『スニーカーズ』(93)
■監督
フィル・アルデン・ロビンソン
■主演
ロバート・レッドフォード、シドニー・ポワチエ
■DVD/Blu-ray発売元
ジェネオン・ユニバーサル
■おすすめの理由
1969年、学生のビジョッブとコズモが政府や大統領の銀行にハッキングし、大金を福祉機関に寄付しますが、コズモだけが逮捕されてしまいます。
時は流れ、「スニーカーズ」という秘密のハイテク専門家集団を組織したビジョッブ(ロバート・レッドフォード)のもとに、国家安全保障局から超性能の暗号解読機を盗み出す仕事が舞い込みます。
それは悪のハッカー組織のボスとなったコズモ(ベン・キングスレー)との再会と対決を意味していました。
この映画の最大の見どころは、リーダーのビショップをはじめ、元CIA(シドニー・ポワチエ)、コンピューターマニア(リバー・フェニックス)、メカのプロ(ダン・エイクロイド)、オーディオの天才(デビッド・ストラザーン)といった、スニーカーズの個性豊かなメンバーによるチームワークです。
同じくレッドフォード主演の『ホット・ロック』(72)のその後を描いたような趣があって楽しめます。
加えて、『フィールド・オブ・ドリームス』(89)のフィル・アルデン・ロビンソン監督が、ストーリーを二転三転させるダマシのテクニック、ハイテクの落とし穴、ヒューマンな味わい、夢の成就といった素材を手際良くまとめています。
当時はこの映画で描かれたようなハッカーという存在が今ほど現実的ではありませんでした。
また、ビジョッブとコズモにビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズの姿が重なるところもあります。
そう考えると、この映画は近未来を予期したものだったとも思えるのです。