マイバッハをも上回る豪華インテリア
ザルツブルク空港に隣接したメルセデスのメガディーラー。ずらりとS63AMGが並んでいる。ボクが受け取ったのは、パールホワイトのボディカラーに、薄青に反射するプライバシーガラス、マットブラックのAMGホイールという、いかにも日本市場で人気の出そうなコーディネートの4マチック・ロングボディ(左ハンドルのみ)だった。
太いドアを開けて、ホワイトとブラックのコーディネーションが派手な室内に、行儀良く腰を落ち着けた。高級オーディオやダイヤモンド模様のレザートリムをはじめ、様々なオプションがてんこ盛りであったとはいえ、インテリアの豪華さは、もうすっかり、あのマイバッハを上回っている。
特に、メタルとレザー、場合によってはウッドをあしらったダッシュボードからドアトリムパネルにかけての見栄え質感は、最高だ。前後のシートデザインも強烈で、テーブルやモニター、各種操作リモコンのディテールなど、VIPパッケージのリアファンクションも、もの凄い!
センターコンソールには前後ともエンボス加工されたAMGエンブレムが浮き上がり、派手なデザインの電動スポーツシートにはホット&コールドマッサージ機能が付き、自慢のIWCアナログ時計は三次元フェイスのメタルベゼル仕立てとなった。
とにかく、ディテールにいたるまで一切、妥協というものがないようにみえ、安心して使える機能性に加えて、アウディや最近のポルシェあたりから学んできたのか、色気艶気の類まで十分備わって、なるほど最新のラグジュアリーはもうこのレベルじゃなきゃダメなんだな、と、強く納得させられる出来映えである。
それでも、あえて文句をつけるとするならば、エルグランドのように無粋に広がったデザインのフローティングタイプのメーター&液晶モニターくらいだ。もっとも、これはSクラスも同じものなわけだから、ここで文句を言っても始まらない。ただ、AMGメーターが液晶表示になってしまったことは、ちょっと残念。