結婚式のコストダウンは会場選びから
これから結婚式を挙げる人のために、参考になるかどうかわかりませんが、私が実際に経験したコストダウン策をご紹介します。まず会場選び。レストランウエディングは、通常はレストラン営業をして利益を得ていますから、ウエディングでの利益をさほど乗せる必要はありません。だから費用も安く抑えられます。しかも料理はおいしい。
ただし、雰囲気はやはりレストランですから、招待客によっては、おもてなしと受け止められない場合があります。気心が知れた仲間とカジュアルに、という場合がよいようです。だから2次会などは多いですね。
次にシティホテル。信頼感もブランドもあり、クオリティにも不安がありません。誰を呼んでも安心なのがホテルウエディングです。しかし、もともと価格設定は高めですし、基本的には持ち込みなどは不可で融通がきかないという側面もあります。
そして私が経験した、専門のウエディング会場。ウエディング会場は、持ち込みなどがホテルほど厳しくはなく、レストランほどカジュアル過ぎず、ちょうどよいと感じたからです。
自分でできることは自分でやって大幅にコストを削減
しかし彼らは土日祝祭日のウエディングでしか稼げません。しかも、レストランやホテルと違い、基本的にリピーターはありませんから、その1回で儲けを最大化する必要があります。そのため、契約をするまですごい勢いで営業してきますし、契約後もあの手この手で利益を上乗せしようとします。特に打ち合わせでは、いろいろなオプションのセールスをしてきます。
私は基本的に時間が自由だったので、それらを全部断り、基本料金のみにしました。
たとえば挙式は、人前式にすれば牧師も聖歌隊も不要なので10万円の節約。招待状、席次表、席札は自作。ネットでこれらのセットを売っているので、自分で入力して自宅のプリンターで印刷。引き出物もはネットで発注。これらで15万円ほどの節約。プロフィールビデオやエンドロールビデオは、Windowsのムービーメーカーを使って自作しました。業者に頼むと1本10万円もしますから、これで20万円の節約。BGMもすべて自分でセレクト。料理も規定のメニューをベースにアレンジしてもらい、やはり20万円ほどの節約。
引き出物などは招待客のビジネスにつながるものを選択
大変だったけれど喜ばれたのが、招待客のプロフィール集です。経営者、自営業者、著者、芸能関係者など、著名人が多かったので、出席者同士の交流ができるように、名前と顔写真、事業内容、ウェブサイト、一緒に仕事をしたときのエピソードを、全員分つくりました。また、招待客はほとんど経営者なので、式場ですすめられたモノをやめて、事業をしている出席者が扱っている商品をふんだんに使いました。その人の会社の売上にもなるし、宣伝の場にもなると思ったからです。
引菓子は食品を扱う招待客の会社に、ブーケはフラワーデザイナー、ウェルカムボードは漫画家、私が着たワイシャツはテーラーに依頼するなど、出席してもらった人のビジネスや宣伝につながるように構成しました。
その他、ネット通販や100円ショップを駆使し、当初の見積もりより総額80万円ほど安くなり、かつみなさんの満足度も高いものができました。
2時間で終わる結婚式にどれだけお金をかけるのか?
これはもちろん、私がヒマだとか、招待客に経営者が多いからという個別事情があります。忙しい人は自分でやる余裕はありませんから、「だからなんなの」と言われればそのとおりです。しかし、「せっかくですから!」「みなさん、こちらを選ばれますよ!」「こちらのほうが人気ですよ!」「こちらのほうがもっと映えますよ!」「一生に一度のことですから!」「縁起物ですから!」「お似合いですよ!」「お祝儀である程度カバーできますから!」「一般的にはこれが慣習ですね!」というお決まりのセリフは、「セールストーク」であるという認識を持ちたいものです。
「そうですよね」「確かに」「そんなものですかね」と思考停止すると、思わぬ高額な費用になりかねません。
それに、今まで出席した友人、知人の結婚式をどのくらい覚えているでしょうか。両親、兄弟、親戚などの手前もあるので確かにおろそかにはできませんが、わずか2時間で終わるものより、他に振り向けるべきものに思いを巡らせたいものです。