報酬を支払おうとしない依頼者とのたたかい
ファストフードならば、先にお金を渡さないと商品を渡してくれません。しかし、行政書士のような士業は着手金をもらえるとしても、残額の報酬は仕事が完了してからもらうことが普通です。つまり、最後は、依頼者が払ってくれるかどうかなのです。「仕事をしてもお金がもらえない」ということは本当にきついのです。サラリーマンは、会社が倒産したとしても、失業保険で救済されます。しかし、士業は違います。弁護士の先生方が、依頼者から報酬を受けられないで困っている姿を、私は何度も見聞きしてきました。
私も不払いされた経験がありますが、やり場のない怒りがこみあげます。依頼者が破産宣告をするなど法的手続きをとった場合は別です。それは仕方ありません。しかし、多くの場合は、単に払いたくないという理由で払わないだけなのです。
振り込みを受けて、領収書を送付。幸せな瞬間です。
ちなみに、約10年間の業務で、不払いにあったのは5件前後です。
最後に
これが依頼者と戦う道です。いかがだったでしょうか。依頼者の理不尽さや不払いの怒りというものが伝わったでしょうか。私の理想は、依頼者と行政書士の対等な関係です。それが、お互いを尊重することだと思っています。高飛車になったり、卑屈になったりすることなく、対等の関係を築くこと。それが、理想の形だと思っています。さて、当時の私は行政書士に対する偏見にも悩んでいました。依頼が多くなり、生活が安定したせいか、そう言ったことに気が向きます。過度な期待と蔑み、依頼を受けて、いろいろな人々に出会った中での体験です。サラリーマンにはサラリーマン独自の悩みがあるでしょう。行政書士には行政書士たるゆえの悩みがあります。次回は、行政書士に対する偏見についてお話ししたいと思います。