魔王に連れて行かれた弟を連れ戻すために迷宮へ
■作品名ラビリンス/魔王の迷宮
■監督
ジム・ヘンソン
■出演
デヴィッド・ボウイ、ジェニファー・コネリー
■DVD/Blu-ray発売元
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
■おすすめの理由
稀代の操り人形師ジム・ヘンソン。彼の名前を聞いたことがなくても、カエルのカーミットやブタのミス・ピギーを始めとした『セサミ・ストリート』の個性的でユニークなマペットたちは1度は目にしたことがあると思います。
マペットとはジム・ヘンソンが生みだした人形のことで、“パペット”と“マリオネット”を合わせた造語。この映画にはそんなマペットたちがたくさん出てきます。
というより、主人公のサラと魔王ジャレス、サラの異母弟トビー以外の登場人物はすべてマペットなので、マペットが主役の映画と言っていいかもしれません。
■あらすじ
物語は空想好きな少女サラが継母と父親が外出する間、トビーの子守りを任されたものの、なかなか泣きやまないトビーに業を煮やし、思わず“今すぐ誰かこの子を何処かに連れてって”と口走ってしまうところから始まります。
子供にならよくある他愛ない願い事のはずが、次の瞬間サラの言葉通りトビーの姿が消えてしまったことから事態は急変。
密かにサラの願い事を聞いていた魔王ジャレスの仕業だったのですが、すぐに願いを撤回し、トビーを返してほしいと訴えるサラに、ジャレスは13時間以内に魔王の城まで辿りつけたら総てを元通りにすると約束。
サラは迷宮へと足を踏み入れるわけですが、この迷宮が子供のみならず大人でも、こんな迷宮があったら入りたい!と思わせる魅力的なシロモノ。
だまし絵で有名なエッシャーやシュールレアリスムの巨匠マグリットの世界観を取り入れた迷宮は考えれば考えるほど頭が混乱していく世界で、それが非常に面白いんです。
そしてその迷宮に棲息しているユーモラスで可愛らしい不思議な生き物たち。見れば見るほど楽しく、どんどん惹きこまれていきます。
最後は最初から何もなかったかのように総て元に戻るんですが、サラが壊したあの世界はどうなったのかが気になります。