生きていた時よりも苦労させられる幽霊夫婦
■作品名ビートルジュース
■監督
ティム・バートン
■主演
マイケル・キートン
■DVD/Blu-ray発売元
ワーナー・ホーム・ビデオ
■おすすめの理由
「アリス・イン・ワンダーランド」、「シザーハンズ」、「スウィニートッド」に「スリーピー・ホロウ」。題名を上げていけばキリがないほどです。
これら、わたしのお気に入り映画たちを生みだした天才ティム・バートン監督の、比較的初期のころにつくったコメディ映画がこの「ビートルジュース」です。
あらすじをご紹介しましょう。
■あらすじ
ニューイングランドののどかな田舎町に住むアダムとバーバラの夫婦は、事故で橋から車ごと転落して死んでしまいますが、それをなかなか自覚できませんでした。けれど家の外に出るや怪物に襲われ、屋根裏部屋には「新しく死者になった者へのガイドブック」なんておかれたりしていて、ようやく自覚します。
やがてふたりの家には、ニューヨークから金儲けが大好きな夫と一人よがりの彫刻を作っている妻、そして前妻との娘で妙に冷めている娘の一家が越してきます。
彼らを追い出そうと奮闘しますが、見えないらしくまるで効果がない。幽霊のふたりは、ハンドブックをたよりにカウンセラーに相談し、「彼にだけは頼んではいけない」と忠告されたにも関わらず、口八丁手八丁でスケベなバイオ・エクソシスト「ビートルジュース」を呼び出すのですが、案の定大騒動を巻き起こされてしまい……。
映画が公開された1988年度のアカデミー賞で、メイクアップ賞を受賞しただけあり、監督お得意の奇抜なメイクで暴れまわるマイケル・キートンは、とにかくはちゃめちゃ。
もう幽霊ですから死ぬことはないでしょうが、生きていた時よりも苦労させられる主人公ふたりが見ていて気の毒になります。まぁ大笑いしてますが。
監督の全作品に共通することだと思いますが、この映画はわたしが少々長めにご紹介したストーリーを追うよりも、こりに凝ったメイクとセット、なんとなく最後にはまるめ込まれ、好きになりさえしてしまう主人公のはちゃめちゃっぷりをただ楽しむ。それが一番ではないでしょうか。