東京五輪決定で日本株は上昇基調に
五輪決定で沸いた日本株市場。今後も上昇は続くか
日経平均をチャートで見ても、これまで抵抗線となっていた50日移動平均線を9月9日(月)に上へブレークしました。さらに強かったのは翌9月10日(火)で、9日(月)よりも16%出来高を増して218円上昇し、9日(月)を上回る買いが入ったことになります。力強いフォロースルーが出たことで、チャート的には上昇トレンドに入ったといえます。
業種別では、本命視されている「建設」、「土石・ガラス」の他、五輪に関係する広告やサービス業(ホテルや翻訳など)の株価が特大の大幅高となっています。その他、海運、証券、倉庫・運輸、不動産、鉄鋼などもよく上昇した業種です。
五輪関連の本命はやはり建設
9月9日の週の週間上昇率トップは、東証2部の大盛工業(1844)の+188.9%で、これを筆頭に、五輪決定後に+40%以上上昇した銘柄が51銘柄もあります(全市場)。これらの銘柄は、五輪決定で投資家が最も注目した銘柄ということですから、やはり今後においても主力株であり続けると思います。業種別のランキングでは建設(16銘柄)、通信(8銘柄)、サービス(8銘柄)の3セクターが全体の約6割を占めています。このうち通信は消費税増税関連(システム更新特需)で買われている側面がありますし、サービスには、ホテルもあれば翻訳会社、医薬ベンチャーも入っていたりでバラバラなので、やはり建設が目立ちます。
短期的には少し行き過ぎではないか、短期のご祝儀相場ではないか、という気もしますが、日本の閉塞感がやる気に変わるとすれば、長期大相場の確認点にいるという考え方もできます。
すでに2013年11月よりアベノミクス相場という大相場が始まっていますが、最近は息切れて、五輪の東京開催を逃していれば(その後の消費税増税も予定されており)、冷水を浴びせかけられたところだったかもしれません。
ここに東京五輪という、長期的に気分を高揚させる出来事が起き、アベノミクス相場に2段目のフォローの風が吹いたことになります。すでに上昇第1波は終了し、これから第2波へとつながる芽が出てきました。
今後の注目ポイントは、秋の臨時国会です。ここでカジノ法案や大胆な投資減税などが出てくると、第2波がスタートすると思います。これらにリニア特需や国土強靱化政策などが加われば、建設株は引き続き強い推移になる可能性があります。
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