既存住宅売買瑕疵保険(かしほけん)とは?

新築住宅の場合は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって、基本構造部分については10年間の「瑕疵担保(かしたんぽ)責任」(重大な欠陥があった場合に補修や賠償金の支払いなどの責任を負うこと)が義務づけられています。さらに、「住宅瑕疵担保履行法」によって、建設業者・宅地建物取引業者に保険加入などの資力確保措置が義務づけられ、消費者を保護する仕組みが整えられています。

一方、中古住宅の売買では、瑕疵担保責任を負う期間が、個人が売り主の場合は長くても3ヶ月程度、宅地建物取引業者が売り主の場合でも2年間に限定されるなど、新築住宅に比べて短く設定されているのが実態です。
そこで、任意の「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することで、住宅に瑕疵があった場合に補修費用などが保険金で支払われる仕組みが整えられました。売り主が宅地建物取引業者の場合は、事前に売り主が保険に加入する必要があり、保険への加入の際に、保険を引き受ける住宅瑕疵担保責任保険法人が、建築士などによる住宅の検査を行います。この際の第三者の検査が給付要件に該当することになります。
瑕疵保険の仕組み図

既存住宅売買瑕疵保険(宅建業者)の仕組み


ただし、あくまで任意の保険です。買取再販住宅の場合、売り主である事業者が独自のアフター保証を付けているケースも多く、必ずしも保険による保証を行っているわけではありません。売り主である宅地建物取引業者に、保険への加入の有無を確認することが大切です。

既存住宅性能表示制度とは?

品確法により、「住宅性能表示制度」(様々な住宅の性能を共通ルールで表示する制度)が制定されました。新築住宅は平成12年10月から、中古住宅は平成14年12月から制度の運用が開始されています。

中古住宅(既存住宅)における性能表示項目は、新築時に建設住宅性能評価書が交付されていない場合は、現地調査で目視や計測などで判断できる6分野となります。具体的には、耐震等級などの「構造の安定」や「火災時の安全」「空気環境」「光・視環境(窓の面積など)」「高齢者等への配慮」「防犯」に関する6分野です。

既存住宅の性能表示制度を利用すると、評価機関の検査員が現地調査を行い、住宅の劣化状況を判定するとともに、共通ルールに基づいた住まいの性能評価を行い、住宅性能評価書(既存住宅の建設住宅性能評価書)を交付します。

中古住宅の売買の際に、売り主あるいは買い主が費用を負担して評価機関に申請すれば、この制度を利用することができます。ただし、評価書が交付された場合であっても、住宅の基本構造の耐震性が、現行の建築基準法を満たす「耐震等級1以上」であることが、すまい給付金の条件になっています。「耐震等級0」の場合は対象外となりますので、注意が必要です。

なお、国土交通省によると、制度運用開始から平成29年3月末時点の期間で、既存住宅の建設住宅性能評価書の交付実績は、5087件となっています。

このほかに、給付要件として「建設後10年以内であって、住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅、または建設住宅性能表示を利用している住宅」があります。しかし、築年数の古い住宅を買い取って、全面改修を行って再販するのが一般的であるため、そもそも建設後10年以内の買取再販住宅というものが、きわめて少ないと考えられます。
→ 新築時の「住宅瑕疵担保責任保険」及び「建設住宅性能表示」については、ガイドの記事「新築住宅編 「すまい給付金」がもらえない?に注意」でご確認ください。

検査イメージ

中古住宅の場合の第三者による現況の現場検査とは?


中古住宅については、売り主が宅地建物取引業者であるという条件によって、もともとの対象が少ないということに加え、給付要件となる第三者の現場検査が任意制度であるため、どの程度の買取再販住宅が対象になるかは不透明です。しかし、売り主である事業者が増税の影響を緩和したいと考えて、任意制度を利用する可能性は高いと思います。まずは、売り主に相談するとよいでしょう。


○すまい給付金についての詳細は、「すまい給付金」ホームページ http://sumai-kyufu.jp

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