南青山でこその“迎賓の邸”
「南青山」が好まれる理由は「表参道」ばかりではなく、その地形に由来しているのではないかと思う。「南青山」から原宿方面、渋谷方面、そして西麻布方面に向かうとそれぞれ緩やかに下っていくのがわかる。つまり南青山全体が高台になっており、「プレミスト南青山」はヒルトップの一画の立地だ。古来より、また洋の東西を問わず、高台には良好な住宅地が形成されてきた例が多いが、「南青山」も類にもれず古くからの邸宅街である。高台のメリットは、もちろん周辺地域と比べて開放的な環境が得やすいことだろうが、現代ほど災害への備えが十分でなかった時代に、地盤の安定性や水害に対する恐れが少ないことなども好まれた理由であろう。また「プレミスト南青山」の契約者のライフスタイルとして、知人や友人などを頻繁にゲストとして自宅に招くといったことも少なくないのだそうだ。だからこそ、多くの人が好む立地に人を招く場所を持つことは重要なポイントになる。その観点から評価されたのが、“迎賓の想い”を込められた外観意匠である。中層の住居棟とは別に、まるで美術館のような端正な外観の低層棟。あたかも人を迎えるためだけに設けられたような独特の意匠。タワーマンションに飽き足らない層の支持もありそうだ。
人が暮らし、人を迎えるための堅牢さ
「南青山」がいかに住環境良好な邸宅街といえども、次世代のヴィンテージたる都心の住まいとしては、やはりセキュリティに重きを置いたものであることが不可欠だ。そこに暮らす人や迎えられた人にとっては快適な住まいであっても、外部に向けては相応の堅牢さが求められる。「プレミスト南青山」に設えられたのは城塞のような石積みのエントランス周りと、車の入出をチェックするために警備員室を配したメインゲートだ。厳重な物理的セキュリティはもちろんのこと、人の目が介在するヒューマンセキュリティが重要であることは言うまでもない。そしてそのゲートを抜けた車のみに許されたコーチエントランス。高級マンションにおける“お約束”とも言える豪華なつくりだ。外部の堅牢なつくりとは打って変って、壁面に大きく配されたガラス面から陽射しをふんだんに取り込むように意図されたエントランスラウンジなど、建物の中は至って優しげな印象にあふれた寛げる雰囲気が感じられる。住棟の壁面もグラスウォールが採用され、また内廊下部分も壁ではなく擦りガラスを採用することで、棟内・室内への光の取り込みが随所で意識されている。無機質な印象になるものも散見される都心の住まいにおいて、これほど明るさを意識したプランニングは、事業者の住む人への細やかな配慮が推察される。
晴れてオープンなマーケットに登場した「プレミスト南青山」という貴重なプロジェクト。近年の都心の住まいを代表するひとつであり、必見のプロジェクトと言って間違いないだろう。
提供:大和ハウス工業株式会社