交際費を改めるために、過去1年間を振り返る
生きた交際費の使い方ができるように、「一度すべて自分で払う」という矯正をしてみてもよいかも
勉強会や交流会に払った費用は分類に迷うと思います。その勉強会で学んだことを実践して仕事に成果が出たり、名刺交換して以後何らかの繋がりができたりした場合は「投資」、まったくコンタクトがない場合は「浪費」にすると考えましょう。
お金を出して参加した会合が、その後の結果に何も繋がっていないとすれば、それは参加費の多くが無駄な出費になっている証拠なので、来年以降は参加する回数や内容を見直すべきといえます。
人づきあいを効率や損得で考えるのはどうかと思う人もいるかもしれませんが、投資というのなら、そこに一定の効率、つまりコストパフォーマンスを意識するのは当然でしょう。
また、「人脈はすぐに結果に結びつくものではない」と反論する人もいると思いますが、1年間何も交流がなかった相手とは、今後も何も生まれないことのほうが多いものです。1年間まったく連絡を取り合わなかった相手に、何か頼みごとなどできるはずもないですから。
むしろ、そういう反論ならぬ言い訳をしながら交際費を使い続ける気持ちが、家計をじわじわと苦しめているのではないかと思えてしまいます。
「あえて自分のお金で参加」で交際費の考え方を矯正する
それぞれの会合への参加費用が「生きたお金」になるかどうかを事前に判断するのは難しいものです。交際費は、お小遣いから出すという人と、家計で負担する人の2タイプがあると思います。ここであえてすべてを小遣いから出すようにすることも、お金のかけ方を矯正する一つの方法になります。投資にあたる交際費は、家計から支出するのが基本だと思いますが、それでもいったん小遣いから自腹で払うようにしてみましょう。そうすると、会合に誘われた時に「これは参加する価値があるか」を冷静に考えるようになれます。参加した結果、有意義な会合だったと判断できれば、その段階で立て替えた費用を家計から負担してもらう、というふうに決めるとよいのです。
これは、費用を会社が負担してくれる場合にも応用できます。会社に請求すれば経費として認められる可能性があるものも、一度はすべて自腹で支払うことで、その会合に参加するべきかどうかを事前に真剣に考えるようになるし、真剣に話を聞くようになれます。参加したら、たとえ一人でも生きた人脈を作りたいと考えて、きちんと会話をするようになる場合のほうが多いのです。
ところが、「どうせ会社の金だ」と思うと、講演なども真面目に聴かず居眠りしてしまう、などということになりがちです。これではお金と時間の無駄遣いといえますね。
私の相談者の中にも、まず自分のお金で会合に参加した後、実際に仕事に役立ったと確信できた段階で会社に請求するようにして、個人で負担する交際費を削減できたという人がいます。こうした訓練を続けることで、自分の中でお金の使い方の基準ができたのでしょうね。
交際費をかけても自分の懐は痛まない。そういう環境にある人ほど、ルーズに交際費にお金をかけてしまいがちです。八方美人、とりあえずのノリで会合に参加してしまう人も同様です。限られた収入、交際費負担の増加などで家計が困窮しないように、交際費の使い方を改めて検討してみることをおすすめします。