盆栽/盆栽の種類

ビギナーでも楽しめる小さな王道盆栽

ビギナーの方が実際に盆栽を育ててみよう、という時「どの種類の木を選べば良いだろう」と迷われることでしょう。「初心者だけれど、どんな樹種から始めれば良いですか?」というご質問にお答えする第1回目として、ビギナーの方でも楽しめる小さな王道盆栽をご紹介します。

山田 香織

執筆者:山田 香織

盆栽ガイド

ビギナーでも楽しめる盆栽とは?

真柏

ビギナーでも楽しめる真柏の盆栽

はじめに、「盆栽の世界で王道」といわれる樹種についてですが、松柏類(しょうはく:松類の総称)から「五葉松、真柏、黒松」。松柏類以外では「梅、山モミジ、ケヤキ」というところでしょうか。その中で、ビギナーの方におすすめなのが「真柏、山モミジ、ケヤキ」の三種類です。今回はその中から真柏をご紹介します。

右の写真は真柏の小さな盆栽。ちなみに3000円程度から購入できます。

 

1.真柏ってどんな木?

真柏

樹齢の古い真柏の盆栽。樹齢約100年

真柏は本名をミヤマビャクシンといいます。真柏というのは盆栽界での呼び名で、図鑑で調べるときはヒノキ科ビャクシン属をご覧くださいね。日本各地の高山に自生しているミヤマビャクシンと、海の側にも自生するビャクシンがあり、ミヤマビャクシンの方が、葉が細かいので盆栽に向きます。

真柏は幹が自然に捻じれて躍動的で、本格的な盆栽では神(ジン:枯れた枝)や舎利(シャリ:枯れた幹肌)の芸も楽しめます。

 
真柏

手のひらサイズの真柏 3000円程度から購入できる

真柏の良いところは常緑で丈夫で育てやすく、挿し木苗など安価な盆栽も多く出回るので、ビギナーの最初の一鉢におすすめです。

 

2.真柏の日頃の管理方法

真柏

正常な真柏の葉 モコモコした様子はまるでブロッコリーの葉のよう

■置き場所:一年を通じて日当たり、風通しの良い戸外で育てましょう。日陰で育てると徐々に樹勢が落ちて、不完全な形の葉(杉葉)が出てきて見栄えが悪くなります。

■水やり:水を好むので多めを心がけ、1日1~2回、夏場は2~3回を目安に与えます。気温が高い夏場は葉にもシャワー状の水をかける葉水(はみず)をして直接葉への水分を補いましょう。

■肥料:5月と9~10月に月一回、緩効性の固形肥料を置き肥しましょう。

■植え替え:細い根の発根がよく、根詰まりしやすいので、2年に一度は植え替えしましょう。土は赤玉土のみで構いません。

真柏

丸い輪郭から飛び出た葉の先を細かくハサミで剪定していく

■剪定:写真のようにモコモコとしたブロッコリーのような葉先の姿になるように丸みをつくるように枝先の葉をハサミで剪定していきます。

 
 

3.真柏の楽しみ方

真柏

ご神木のような迫力を小さな世界で楽しめるのも魅力

真柏の楽しみ方としては、例え小さな盆栽であっても、盆栽界の王道の樹種であるということから、小さくてもどちらかの神社の御神木を思わせるような常緑樹の美しさがあるところです。

10センチ程度の小さな真柏の盆栽でも、一本一本の葉は細かく、捻じれる幹には大木を彷彿とさせる力強さがあり、小さな空間に大木を作りこむことができます。渋めの王道盆栽をプチで楽しみたい、という方におすすめです。インターネットショップやお近くの盆栽園などで探してみてくださいね。

 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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