言葉が出始める頃に起きやすいトラブルとは?(18ヵ月~2歳頃)
状況に合わせた対応で、子どもの健やかな発達に寄り添いたい
この頃になると「自分はこうしたい」「あれが欲しい」といった要求(自我)が出てくるようになり、加えて、今まで以上にお友達を意識して遊べるようになるため、「あの子と同じおもちゃが欲しい」「あの子と一緒に遊びたい」という気持ちを持つようになります。一方で、その要求や気持ちを言葉で伝える力が追い付いていないため、つい口が出て噛んだり、手が出て押したりつねったりする姿が出てきます。言葉の力がついてくれば自然と収まることが多いものの、ケガに繋がることが多いため、保育士さんの間でも昔からよく議論されている課題です。
保育園では、そういったトラブルが起きた際、例えば噛みつきの例でいうと、噛んだ側と噛まれた側それぞれに対する対処法があります。まず噛んだ子どもに対しては、「あのおもちゃが欲しかったのね?今度は貸してって言おうね。」「○○ちゃん、痛かったんだよ。」と子ども(当事者二人とも)の言葉を代弁するように伝えます。噛まれた側に対しては、「○○ちゃん、これが欲しかったんだって。」「でも噛まれて痛かったね。」と同じく代弁し、本人が辛かったことについては共感してあげる、という対処法を取る場合が多いそうです。
家庭で出来ること・取るべき対処法
保育園から帰ってきて歯型や傷があったりすると、親としては何とも言えない気持ちになりますが、きちんとした保育園であれば上記のような対応を取ってくれているはずです。そのような場合、被害を負った側の保護者に対しては逐次報告があるはずですし、気になる事があれば遠慮せずに確認・相談するようにしましょう。また、家庭でも上記のように代弁して共感してあげることが重要です。子どもが忘れているのに敢えて蒸し返す必要はありませんが、「ここ、いたいの。」などと子どもの方から伝えてきた場合には、「そっかぁ、痛かったね。お友達も一緒に遊びたかったんだって。」と向き合うことで、子どもは安心できます。また、最近は手を上げた側の保護者には必ずしも毎回報告しない園も多いようですが、保育者からそういった行動について報告や注意を受けた際には、親としてきちんと対応したいもの。お家でも噛んだりつねったりした際には、代弁してあげた上で、やってはいけない事だとはっきり伝えましょう。声を荒げる必要はなく、子どもの目を見て落ち着いて話しかければ十分伝わります。逆に、周りの大人が真剣に取り合わず流したり、笑いながら「もぅやめてよ~」などと対応していると、子どもはそれがいけない事だと分からなくなっていまいます。一度言ってもすぐには直らないでしょうし、何度も繰返し注意しなければいけませんが、大人が意識して根気よく対処することが大切です。