74万5000円に値下げ! 装備内容も充実のダイハツ「ミライース」
軽自動車の価格&燃費勝負は激しさを増している。大暴れ中なのが、ダイハツとスズキだ。昨年から突如表舞台に飛び出してきたホンダの猛追を受け、「負けじ魂」に火がついた感じ。返す刀で新勢力のNMKV(日産/三菱自動車の合弁会社)を斬ってやる、というイキオイ。なかでもダイハツが凄い! 8月21日発表したミライースのマイナーチェンジモデルのJC08を見たら33.4km/Lと、マイナー前より11%向上させてきた。マイナーチェンジ前の30km/Lもハイブリッド車に肉薄する燃費ながら、もはや完全に並んだ感じだ。
そればかりかベースモデルの価格もデフレ解消という流れに逆行。79万5000円から74万5000円に値下げした。装備内容を見たら、安かろう悪かろうということじゃない。運転席+助手席エアバッグやABS、アイドリングストップ、エアコン、パワーウィンドゥまで標準装備だ。
欲しいとすれば、キーレスエントリーと自動ドアロック、電動ミラーくらい。ブレーキ性能に大きな影響を与えるタイヤなどは、上級グレードと同じ。近所の足として使うのであれば、全く問題ないと思う。マイナーチェンジ前ですら常識外れの安さだったことを考えると、相当努力したのだろう。
94万円のグレードだと、自律自動ブレーキやセキュリティアラームなども標準装備に
もっと素晴らしいことに、94万円のモデルに30km/h以下で稼働する自律自動ブレーキを装備してきた。建物などの直近で暴走する事故を防ぐ機能も付いている(軽微な事故なら防止効果大)。自律自動ブレーキは機能の中に、横滑り防止装置VSCも含む。これまた単独事故の多くを救うことが出来る効果的な装備で、ホンダN BOXの売れ行きが好調なのも、背の高い軽自動車で唯一横滑り防止装置を標準装備していからである。VSCだけで4万~5万円の価値を持つ。
94万円のグレードにはリモコンロックやCDオーディオは標準装備。プリウスやアクアにも付いてないセキュリティアラームも標準装備されている。軽自動車戦線はダイハツとスズキがなりふりかまわない勝負に出てきた感じ。追いつこうと頑張るホンダや、新規参入してきたNMKVにとって厳しい局面だ。
ダイハツも「独占しちゃいけない」と思ったのか、ミライースは安くて低燃費ながら、デザインがイマイチ。これで元祖ミニやVWビートルのようにシンプルでいながら個性のあるデザインだったなら、バカ売れすることだろう。かくいうガイドも1台欲しくなってしまう。
軽自動車の次のステップはデザインかもしれない。「道具」としてのシンプルさを追求したカッコ良いモデルが出てきたら、さらにシェアを増やすと思う。